＜堀江＞
バトンを渡されて、最初は寮の軸を決める期間が大変だった。あと「相手視点」という軸を決めたはいいけど、そこからどうするか分からなくて、それが課題だった。軸だけ決めるんじゃなくて、その後も決めようと。最初はとにかく掃除を頑張るとか、できることからやってみました。

＜大倉野＞
大事だよね。

＜堀江＞
先輩がつくってきたものを衰えさせない。でもキープするだけじゃなくて、まいてくれた種を花開かせることが、受け取った使命なのかなと思ってました。

＜大倉野＞
それは嬉しい。

＜堀江＞
でも最近、栄養を与えすぎて枯れきている部分もあって、そこは調整していかないといけないと思っていて。

＜大倉野＞
え、それはどういうこと？

＜堀江＞
寮生がDIYとか、地域の活動とか、色んなプロジェクトに積極的に取り組むようになって、活発になってきたことはとてもいいことだけれど、当たり前のことができていないことがある。例えばスリッパを揃えるとか、普通に過ごして、みんなが当たり前だと思っていることを、当たり前にできることが大事だということを、残り3ヶ月自分が寮長のうちに伝えていきたいです。

現寮長の堀江真渚。前寮長の熱いバトンを受け取った。

＜大倉野＞
残り3ヶ月か。あっという間だね。わたしが寮長をやっているときは、一生懸命だったけど、どこに向かって走っているかわからなくて。だから真渚ちゃんたちにはそれを持って欲しかった。わたしたちが軸をつくったのは残り3ヶ月のときだったから。

＜堀江＞
本当に最初は寮長になって何をしたらいいかわからなくて、一人で悩んでいて。考えの筋が通っていて、輝いている彩花さんみたいになりたいって、ずっと思ってました。

＜大倉野＞
やってたときは、女子寮のことを思う気持ちは強かった。それが原動力だった。みんなに伝えるときは、無理なことは言いたくなかったし、支配したくなかった。何かを大きく変えなくても、みんなが「少し頑張れば変えられること」をやろうと意識してたかな。

＜堀江＞
例えば、どんなことですか？

＜大倉野＞
例えば小さなことだけど、洗濯ものがまざらないように、洗濯もの入れにネームプレートをみんなで貼ったこととか。あの時嬉しかったのは、洗濯物の名前がわかるようになると、気付いた人が、その人の部屋までが持っていってくれるようになって。

＜堀江＞
ああ、あれは良かったですよね。私も最近は色々な人と話す中で、自分なりのやり方というか、寮長らしさを見つけられるといいなと思っています。

– 最後に、三年生の卒業を控えて今二人はどんな気持ち？

＜堀江＞
明日の「卒寮式」が緊張してます。人前で話すのが苦手だから、弱々しい声にならないか心配。

＜大倉野＞
緊張かぁ。わたしぜんぜん緊張しないからな（笑）

＜堀江＞
スポーツとかだと緊張しないのに、このあいだ、卒寮式のことを考えてたら、朝から涙でてきました。彩花さん、明日は泣きますか？

＜大倉野＞
いや、たぶん泣かないかも（笑）
面白い感じの企画だから、たぶん泣かないと思う。

＜堀江＞
逆にわたしは「真渚は、絶対に泣くだろう」ってみんなに言われてます。

＜大倉野＞
明日、楽しみだなぁ。

– 卒寮式、いい会になることを期待してます。二人とも、今日はありがとうございました！