インタビュー特集

じっくり自分に向き合えた3年間。夢ができて、志望する大学へ。(卒業生インタビュー)

清水七海さん
卒業生(東京都出身)/上智大学 総合人間科学部 社会学科 在学中(取材時)

 

– 隠岐島前高校に進んだ理由
母からの勧めで、戸惑いながら島へ。今では感謝の気持ちでいっぱいです。

東京都内の高校に通うことしか考えておらず、まさか自分が島根県に行くことになるとは、本当に不思議なものです。全てのきっかけは、母です。当時大学院に通っていた母が授業で「隠岐島前高校魅力化プロジェクト」の取り組みを学んで大きな感銘を受け、「行ってみたら?」と勧められました。いわゆる都会の冷めた子だったので、母としては変わってほしいと思っていたのかもしれません。
寮生活や知らない土地への不安もあり、私自身は最後まで戸惑っていて、今思えば入学当初はふてぶてしい態度だったと思います。けれど、島での様々な人との出会いや経験を通して、私の心はどんどん熱くなっていきました。悔しいけれど今は、新しい道を切り開いてくれた母に心から感謝しています。


– 高校時代の想い出
部活も、地域活動も、夢中に。本気に取り組むってカッコいい。

私にとって大きな転機は、仲良しの友達に誘われて、地域国際交流部に入ったこと。地域ボランティアや国際交流につながる活動を行う部活で、何をするかは基本自分たち主体で決めて行きます。私たちの頃は、使わなくなった小学校でカフェを開いたり、町最大のイベント「キンニャモニャ祭」のパレードに参加したり、保育園を手伝いに行ったり。地域のみんなに喜ばれることが嬉しくて、活動に夢中になっていきました。
もう一つは、学校や学習センターの先生、島親さんなど、地域の方々との出会い。正直、東京にいた頃は社会や学校のルールに縛られた大人が苦手で、斜めに見ていました。でも島では「ここをもっとよくするには」と真剣に考えている人ばかり。人と人の距離が近いので、その想いに直接触れる機会が多く、本気で取り組むってカッコいいと思うようになりました。

 

– 卒業して感じる、島留学の魅力
高校時代に磨かれた、考える力。未来を大きく変えてくれました。

隠岐島前高校では、高校と連携した公立塾「隠岐國学習センター」があり、教科指導の他に、対話や実践を通して自分の興味や夢を明確にしていく「夢ゼミ」という授業があります。魅力的なゲストの方が来てくれたり、自分の過去を振り返ったり、課題解決型のプロジェクトをしたり。学校の授業はもちろん、自分の考えを言語化していくことで、考える力を養うことができました。
地域活性化や社会問題に興味を持ち、現在は社会学科で学んでいます。もちろん将来に迷うこともありますが、迷うのもやはり「考える」からこそ。隠岐島前高校に行っていなかったら、何も考えずに何となく敷かれたレールの上を走っていたかもしれません。自分が心から納得できる道を見つけたい。そう思えるのは、高校時代に得た経験のおかげです。

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