日々の実践

グローカルヒストリー特別授業を実施しました

2月13日(水)に、2年生を対象をとして「世界史✕地域課題解決」をテーマに、グローカルヒストリーの授業を2時間連続で実施しました。授業実施には昨年度まで本校で世界史を担当し、現在は島根大学の中村怜詞准教授に協力いただきました。

久々に本校の教壇に戻ってきた中村先生

「島前地域に人が集まる背景や構造を明らかにする」という狙いのもと、4人1チームで以下の4つの手順で授業が展開されました。

●手順1:現在の島前地域に人が集まる理由を考える
→島前地域出身の方、島外から移住してきたIターンの方など、4名のゲストの方に生徒が分かれてインタビューを行い、様々な視点から島前地域に人が集まる理由を考えました。
●手順2:歴史の中でどのように人が動いてきたかを考える
→奴隷貿易時代のアメリカ、ルネサンス期のフィレンツェ、高度経済成長期の日本など、10の事例から歴史事象を分析・考察し、それぞれの歴史事象に共通する人口移動のパターンはあるか分類をしました。「喜怒哀楽」で分類するユニークなチームも。
●手順3:島前地域と、歴史事象の比較を行う
→これまでのワークをもとに、島前地域に人が集まる現在の特徴と歴史事象を比較して共通点と相違点をグループで考え、その後全体発表を行いました。
●手順4:授業の活動評価を行う(個人ワーク)
→最後はルーブリックをもとに授業の活動に対して自己評価を行いました。

 

隠岐島前一宮「焼火神社」の松浦宮司にインタビュー

手順3の生徒の発表では、「相違点として、歴史の中では国の政策で強制的に人が動くことも多かったが、現代では本人の意思で自由に動けるようになったと思う」という意見や、「ルネサンス期のフィレンツェと、現在の島前地域は、地域の魅力や新しいライフスタイルを求めてやってくるという点で、似ている」など各チームから様々な意見が飛び交いました。

また全体を通じて、生徒からは純粋に「楽しかった」という反応があった一方で、「難しかった」という声も挙がりました。とくに出来事を漏れなく・重複なく分類することや、根拠を言葉にして論理的に理由を書くという部分で、苦労をしていたチームが多かった印象です。

生徒は苦労しながらも真剣そのもの

1つの答えがない課題に対して、粘り強く考える力をいかに伸ばしていくか、教科での学びにおいて、いかに地域課題探究の要素を組み込んでいくかなど、これからの島前での学びを考えるにあたって、手応えと課題が見えた2時間となったと中村先生の振り返りの言葉がありました。
また、久々に本校に戻って2年生の授業をした感想として、「他校と比較しても圧倒的に安心・安全に議論できる土壌がどのチームにもあり、それが集団として最も成長したところ」とお褒めの言葉もありました。

インタビューをされた大人たちも生徒に混じって発表。さすがの洞察力でした。

次の授業では、今回の内容も踏まえて「これからの島前地域の移住政策はどうあるべきか」についても、具体的に考えていく予定です。先生方、生徒の皆さん、お疲れ様でした!

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