校長室より

自分を信じて、前へ(第2学期始業式式辞)

2学期の始業式をむかえました。
夏休み期間中、大きな事故等の報告もなく、生徒の皆さんがこうやって元気な姿で始業式をむかえられたことを喜びたいと思います。

さて、この休み期間中、様々な行事や大会、また、ボランティア活動等へ積極的に参加した人たちが多くいました。7月27日のオープンスクールには多くの生徒が協力してくれましたし、7月下旬のヒトツナギの旅、8月当初のソフトテニス部尽誠合宿は事前の準備から運営と大変だったと思いますが、参加された皆さんが十分に満足されるなか成功裏に終えることができました。

グローバル探究のロシア・ブータン研修に参加した8名の皆さんは、多様な価値観に触れる貴重な体験のなかで多くの気づきを得たことと思います。

私は、7月29日から熊本県で行われたレスリングのインターハイ、8月3日に岡山県で行われた軟式野球の東中国大会を会場で激励することができました。いずれの試合も、日ごろの練習に顧問・部員がどういう気持ちで取り組んでいるのかが伝わってくる内容のある試合で、応援のし甲斐がありました。保護者の方とも気持ちを一つにして応援することができ貴重な機会でした。

さて、2学期です。3年生にとっては、進路実現に向けた天王山と言われるこの夏に、補習や就職ガイダンス、オープンキャンパスへの参加、登校学習や自宅・学習センターでの学習など、それぞれが計画的に臨んだことでしょう。いよいよ社会の扉を開く時が間近に迫っています。どの扉を選ぶかは人それぞれですが、共通するのは、自分で選び、自分で近づき、自分の手で開くということです。扉に届くまでの時間をしっかりと計画し、自分に嘘をつかない、粘り強く最後まで諦めない、地道な努力を積み重ねてください。こうした努力の積み重ねによる体験は、皆さんの人生において貴重な経験値として活きてくるものです。1・2年生は、先輩の姿をしっかりと目に焼き付け、自分の扉探しと夢や目標を実現するための努力の参考にしていきましょう。

1学期の終業式で一冊の本を紹介し、すべての始まりは、強い「思い」であること、その「思い」は、いわば種であり、人生という庭に根を張り、幹を伸ばし、花を咲かせ、実をつけるための、もっとも最初の、そしてもっとも重要な要因であることを話しました。そのことに関連して、2学期をむかえるにあたり皆さんに伝えておきたいことを一つだけに絞ってお話しておきます。

その強い「思い」を実現するために必要なこと、それは自分の可能性をまっすぐに信じることです。可能性とは、自分の「未来の能力」のことで、今の自分の能力で、できる、できないを判断してしまっては、困難なことを乗り越えていくことはできません。自分の可能性を信じて、現在の能力水準より高いハードルを自分に課し、その目標を未来の一点で達成すべく全力を傾ける。そのときに必要なのなのは、常に「思い」の火を絶やさずに燃やしつづけることです。それが成功につながり、そうすることで、自分の能力はさらに伸びていきます。

この2学期は、自分の将来や身近な進路実現に向けて、他者としっかり関わりながら、自分自身としっかり向き合うことを求められる大切な時期です。自分の可能性を信じ、強い「思い」を持って、前へと進んでいきましょう。

最後に、夏休みの課題としていた校歌について、歌詞の意味など考えてみることができたでしょうか。また、校歌をしっかりと歌い上げることの意義についても考えることができましたか。私は時間があると、菱浦を見下ろす遊歩道をよく散歩しますが、その際に校歌をよく口ずさんでいます。小泉八雲が今から130年ほど前に「鏡浦(かがみうら)」と名付けた菱浦湾は今も変わることなく鏡のように輝き、その背後には家督山(あとどさん)がどっしりと構えているこの地で生活をしていると、この恵まれた自然環境と人のつながりに感謝せずにはいられません。2学期は皆さんが大きく飛躍する時期です。自分としっかり向き合いながら、常に感謝の気持ちを忘れず、一歩ずつ前に踏み出していきましょう。

以上、2学期始業式の式辞とします。

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