校長室より

命の充電、そして新年を(第2学期終業式式辞)

2学期の終業式をむかえました。この2学期、学校全体で大きな事故等もなく無事に今日の日をむかえることができたことをまず喜びたいと思います。

2学期は、様々な行事・出来事がありました。8月31日から行われた碧燎祭は好天にも恵まれ、大変充実した内容になりました。生徒会執行部の新たな企画、全校生徒・教職員が一体となった入念な準備により、当日は、スローガン通り生徒一人一人が大きな輝きを放つ姿を見ることができました。保護者や地域の方々との絆、学校との結束力を高める絶好の機会にもなりました。

2年生は、11月12日からシンガポールへの海外研修に参加しましたが、特に英語でのプレゼンテーションは、準備段階を含め、生徒の力を飛躍的に向上させる機会になりました。私も同行しましたが、現地大学生との英語での質疑応答や企業訪問でのやり取りを見るにつけ、島前高生の意識の高さを実感しました。島前地域の課題を素材に、その解決に向けた実践と具体的な提案は、地域に活力を与えてくれると、多くの方々から評価をいただきました。

同じ時期に、1年生は、大学・企業見学に参加しましたが、県内の大学・専門学校・企業を直接訪問しての交流や説明によって、1年生のうちから進路に対する意識を高める貴重な機会になったようです。この他にも、ヒトツナギ部や地域国際交流部の地域に貢献する活動や各運動部の地元小中学校と連携した活動、また、2年生の英語スピーチコンテストでの栄誉など多種多様な地域行事、県外での各種イベントへの参加等、主体的で協働的な取り組みによって生徒の成長を実感した学期でした。

さて、明日から冬休みに入ります。生活に少し余裕を持って、家族とゆっくり話をしたり、本を読んだりなど趣味に費やす時間の中で、自分自身を振り返る機会にしてください。少し大きな話になりますが、先日、ある本を読んでいて目に留まったことを紹介します。それは、宇宙にあるエネルギー不変の法則についてですが、次のような内容です。

「宇宙を成り立たせているエネルギーの総量は、形を変えても常に一定である。たとえば、木を切り倒して薪にして火にくべると、もとあった木という存在のエネルギーは、熱エネルギーと気体になったエネルギーに換えられるだけで、その総和は変わらない。言うならば、たとえ石ころ一つでも、この宇宙を成立させるために必要不可欠な存在であり、どんなちっぽけなものであっても、それがもし欠落するならば、宇宙そのものが成り立たなくなってしまう。宇宙に存在する森羅万象はすべて、大きな宇宙という生命の一部であり、けっしておのおのが偶然に生み出されたものではない。どれ一つとっても宇宙に必要だからこそ、存在しているのであって、一本の木や草、道端の石ころに至るまで、あらゆるものが役割を与えられ、宇宙の意志に基づいて存在している。人間もすべての人が天から役割を与えられ、それぞれがその役割を演じているわけで、その意味ではどの人にも同じだけの存在の重みがあるといえる。」というものです。

私たち人間は知性と理性を備え、さらに愛や思いやりの心をもち、より大きな使命をもってこの宇宙で生かされています。そうであるならば、自分自身がその役割を明確に認識し、生きる意義を自覚したいと強く思います。そして、感謝の心、素直に自分を律する心、人格を高めつづけること、そんな当たり前のことを一生懸命行っていくことにこそ意義があると考えます。大きな話ではありますが、私たちは何のためにこの世に生まれてきたのか、人間の本質とは何か、一年を振り返り、新しい年をむかえるにあたって、皆さんにも考えるきっかけにしてもらえれば幸いです。

3年生にとっては、自分の進路実現に真剣に向き合う日々が続いた2学期です。既に内定を得た人もいますが、1月に行われる大学入試センター試験を目標にしている人も多くいます。最後まで粘り強く諦めない挑戦を学校全体でサポートし、応援していきますので、体調管理に努めて頑張ってください。

最後になりますが、皆さんが充実した冬休みを過ごし、元気に3学期に再会できることを期待して終業式の式辞とします。

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