グローバルな挑戦

グローバル探究2018 in ブータン その3

本校はSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定されて以降、様々な海外諸国との交流をしています。毎年夏には「グローバル探究」として、ロシアやブータンを訪問しています(過去にはエストニアにも)。
今年も4人の生徒が、ブータンの中でも秘境と言われるメラを目指し、「世代別で見る日本とブータンの『家族観』の違い」を探究します。引率の安田が複数回に渡ってお届けします。


標高3,400mの山の中にある、ブータンの秘境とも言われるメラ村を目指します。2年前に自動車道が開通したばかりで、ブータン人ですら行ったことのある人は少ないのだとか… ひたすら岩石がゴロゴロと表出した山道を登り続けました。石やぬかるみで揺れる車内で頭をぶつけながらタシガンから登ること2,000m、約5時間でメラ村に到着です。


メラ村ではガイドのペマさんの親戚の方の家にホームステイしました。
ホームステイ先の家族はみんな親切で、子供たち2人はずっと動いて家事を手伝っているのが印象的でした。

メラ村に住む人々はブロクパと呼ばれ、他の地域に住むブータンが着るゴやキラとは全く異なる伝統衣装を着ています。男性はヤクと呼ばれる動物の毛(牛に似ているが毛はもっとゴワゴワ)で作られた羽織を着て、女性は貫頭衣に上着を羽織っていました。


村を散策しましたが、いたるところに鶏・牛・馬・羊・ヤギ・ヤク・ゾ(牛とヤクをかけあわせたもの)などの動物で溢れ返っていました。
家も村人の手作りで、建築中の家も複数ありましたが、村に電気は通っていて、スマホでチャットをしながら(!)糸紡ぎをするなど、現代的な一面も見られ、不思議な感覚に陥りました。そして、人生初の標高3,400mだけあって、ちょっと動いただけでも息苦しさを感じます。


翌朝は朝食後に、ホームステイ家族とその親戚の方々とメラ村で一番偉い僧侶を前に日本の家族と島前地域について英語でプレゼンを行いました。英語が分からない世代にはガイドのペマさんにゾンカ語に通訳してもらいました。

プレゼン後、僧侶の方から「ブータンの中でもメラ村を選んでくれてありがとう。出会えたことにはきっと前世からの縁があったのだろう」と感謝の言葉をいただきました。人生を前世と後世まで含めて考えるブータン人らしいコメントに心温まりました。

2日間のホームステイを予定していましたが、生徒の高山病による体調不良も見られ、また大雨による崖崩れで道路状況が心配だったため1日早く切り上げて下山することにしました。状況に合わせた臨機応変な対応が必要ということは事前にも伝えていましたが、実際にその重要性を身をもって理解することができました。

案の定、帰りはぬかるみが酷く、また道路まで水が流れて川のようになっているなど大変な道のりでした。メラまでのドライバーのカルマさんのドライビングテクニックは凄まじく、途中立ち往生している別の車を助けてもいました。私たちの車が立ち往生したときには道路を直していた人たちが協力して助けてくれるなど、ブータン人の優しさやお互いに支え合う姿に触れた帰り道でした。

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