グローバルな挑戦

グローバル探究(ブータン)フィールドツアー活動レポート<前編>

5日(木)から8日(日)、グローバル探究(ブータン)フィールドツアーを行いました。

新型コロナウイルス感染症拡大のため、昨年度はグローバル探究の実施を見送ったのですが、今年度はオンラインの活用と、県内他地域でのフィールドツアーを取り入れてプログラムを進めています。5月にチームが決定し、6月から本格始動した今年のグローバル探究。「ブータン×芸術文化」と「ミクロネシア×地域医療」の2つのプログラムがありますが、今回は「ブータン×芸術文化」チームの夏のフィールドツアーの様子をご紹介します。

ここまでの活動を通じて「文化として残るものと残らないものには、どのような違いがあるのか?」「芸術の価値とは何か?、そしてその価値はどのように決まるのか?」というテーマをチームで探究し、ブータンの民族衣装の生地を使った小物や衣装の制作にも取り組んできました。そして今回の夏のフィールドツアーの目的は、ここまでの探究をさらに深めるために、他地域の実践から学ぶことです。

8/6最初のプログラムでは、江津市にある「石州勝地半紙」の工房に伺い、6台目の佐々木誠さんから石州和紙の歴史や、具体的な製造工程についてお話をしていただきました。


(和紙の原料となる楮(こうぞ)を蒸すための甑(こしき))

また工房では実際に和紙を使ったランプの創作にも挑戦しました。どの和紙を使い、どのようなデザインに仕上げていくか、それぞれにイメージを膨らませて制作進めていきました。一つひとつの細やかな作業にみんな没頭をし、つくりながら、イメージを修正していく様子も見られました。


(石州和紙を使ったランプ創作の様子)

実際に自分たちで手を触れることを通じて、また和紙がつくられる過程の面白さと、そこに込められた想いを知ることで、思わず和紙に対する愛着が湧いてしまった、振り返りの記録を残す生徒もいました。


(完成した和紙のランプ)

8/6午後のプログラムでは、浜田市三隅町へ和紙職人の久保田彰さんを訪ねました。

久保田さんは和紙製造の専門家として、長く30年以上に渡ってブータンでの技術指導にも携わってきた方であり、「ブータン×和紙」という視点から、現地でのエピソードを交えた様々なお話を伺いました。

久保田さんは、ブータンの工場で生産すること、ブータンにある原料を使うこと、ブータンの生活や文化に根付く和紙の活用方法を模索していくことなど、単なる技術指導にとどまることなく、いかにそれを持続可能な形にしていくかを考え続けており、そんな久保田さんの真摯な向き合い方や、ブータンへの想いから多くのことを学ぶ時間になりました。



(久保田さん(写真左)には和紙の製造工程についても実演していただきました)

生徒の振り返りでは、たった1人でも残そうとする人がいることの大切さに気づいたというコメントや、なぜ当然のように残すために頑れるのか?という新たな問いも生まれてきたようでした。

佐々木さん、久保田さんをはじめ、今回お世話になった皆様、改めてありがとうございました。ここでの学びを生かしながら、後半のプログラムにつなげていきたいと思います。

フィールドツアー<後編>も後日掲載します。

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