インタビュー特集

「海士町PRIDE」が自分の中にしっかりある(卒業生インタビュー)

本校には卒業生会として「家督会(あとどかい)」がありますが、昨年度に立ち上がった若手卒業生による「家督会青年部」が、今年度になってから様々な卒業生の声を集めるべく「あとどノート」をスタートしています。

本校が魅力化に取り組み始めてから11年目になりますが、卒業生たちが在学中にどのようなことを考えていたのか、いま改めて何を感じているのか、ぜひご一読いただければ幸いです。

下記の記事は、「あとどノート」の中に記載されている海士町・北分出身の森龍さんの寄稿になります。ぜひ島の方々にも読んでもらいたいです。

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どうも、卒業生の森です。海士町で23年過ごし、今は松江で働いてます。
松江に出て4年が経とうとしていますが、未だに訛りがぬけない根っからの海士人です。

何を話そうか色々考えたんですけど、そもそもまとまった事なんて言えないし、そもそもそんな人生経験ないし、まだひよっこなんで現状気づいたことを、みんなと共有できたらなーと思ってます。まず、海士町、そして島前にいてよかったことはなんだろうか??について書いていこうかな。

ひとつめ!

友達少ないこと! ホントに少ないよね友達。多分俺は多い方だったと思うんですけど、それでも分母が少ないから笑えるような感じ。笑

どこがいいんだよ!ってなるけどどう頑張っても、毎日毎日同じ顔のメンツで勉強して遊んで恋愛とか青春したりして、めちゃくちゃ濃い人間関係を経験できたことはホントに良かったと思ってます。年代を飛び越えて話して、遊んで、ケンカもしたりして、都会だとなかなかできない事ようなことだと思います。いろんな価値観やその人に対して理解を深めようっていう思考が染みついたのは、社会に出てからかなり役にたったと思います。

高校時代にバス停で

ふたつめ!

人いないから自分でやるしかない! やる人いないんだもん! 自分でやるしかないやん!

これめっちゃ大事。「人任せ、経験しない」はホントにもったいない事だと思う。出来るチャンスがあるならぜひやってみて欲しい! 失敗が怖い人は自分に自信持ちすぎだよ。誰もそんな期待してないから好きにやればいいよ。自分がそうだったから脱ナルシスト宣言。怖いし不安だけどやってみよう! ドキドキ、ワクワクしてきたら成長の証やで。

みっつめ!

帰れる場所、愛してる場所。まぁ、地元だから帰れる場所だしずっと過ごしてたから愛着があるのは当たり前なんだけど…。23歳の時にめっちゃ人生つまんねーって、急に思ってしまってそこから毎日ホントにつまらなくなったんだよね。人間ってこんなに素直な生き物なんだと初めて実感したけど、我慢なんて出来ないし、「もうここに居たら俺の人生真っ暗だー!!」ってその考えが頭から離れなくなった。

で、仕事辞めて思い切って本土にでて、別の職場で働いてみた。どうせ海士町からでたからまともに仕事なんてできないんだろうなー俺とか思ってた。だけど、そんなことは全くなくて。もっと言えば、お客様との関わりは海士町の方が気を使うほどだった。自分の思い込みで妄想を膨らませて、勝手に自分は出来ないって思い込んでました。

職場でも、海士町の自慢したり、大きな仕事があると海士人としてこのくらいは成功させんといけんわ!っていつの間にか「海士町PRIDE」が自分の中にしっかりある事に気がついた。海士町の方が綺麗な海の色しとる、西ノ島、知夫里のほうが綺麗な景色しとる、とかね。

まとめると、色々あったんだけどマイナスに思っていた事が、実際は全然プラスに働いてて社会に出て大事な事は自然と身についていた。

地元愛も気づかないうちにしっかりと自分の中にあった。今は全然地元に帰るつもりはないけど、いつかまた帰る!って気持ちになるんだろうと思っています。こうして海士町に住んでいなくても、海士町のそして島前の活性化?の力になれれば良いなと思ってます。

森龍(1993年9月生まれ 海士町・北分出身)

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