インタビュー特集

失敗共創インタビュー②(ゲスト:重成桜介さん・表ツェワンさん)

今年度より、本校では、学校スローガン「失敗を共に称える学校」を掲げ、学校経営目標を着実に前に進めるために、失敗共創プロジェクトが立ち上がりました。

失敗を恐れずに挑戦し、その挑戦を見える化し、失敗からの学びを称える。

それが「失敗共創プロジェクト」です。

第一弾は、乃木先生と三島先生にインタビューさせていただきました。第二弾となる今回は、2年生の仲良しコンビ、重成さんと表さんにインタビューしてみました。インタビュアーは、失敗共創プロジェクトメンバーの宮野コーディネーターです。

 

 

 

宮野:今日はよろしくお願いいたします。

重成・表:よろしくお願いします。

宮野:今日は、失敗共創インタビューということで、「失敗」をテーマにインタビューしていきたいと思います。まず、「失敗」と聞いて、思い浮かぶものはどんなことですか?まずは重成くんからいきましょうか。

重成:小学生のときのバレンタインデーです。好きな子にチョコレートをもらうことができたのですが、その子がチョコレートが苦手だと聞いて、ホワイトデーに何を返そうか困っているうちに当日を迎えてしまい、渡せなかったんです。

宮野:へー!そんなことがあったんだ!

重成:そうなんです。今年もホワイトデーに渡そうと、とあるオリジナルのものを作ったのですが、前日、無事に出来上がって、当日の朝、箱を開けたら、作ったものから水分が出てきていてこれはさすがにあげられないと思って渡せなかったんです。

宮野:悲惨な事件だね、それは。

重成:そうなんです。考えすぎて機会を逃すことが多いんです。それで言いますと、僕は自由研究がとても好きなのですが、夏休みにとても時間を使って、頑張って作ったのですが、納得のいくものが出来なくて、提出せずに終わりました。

宮野:へえ、ある意味完璧主義なのかもしれないね。

重成:そうかもしれないですね。

宮野:そういう経験って、そのときはどういう気持ちなの?

重成:謎の罪悪感やもやもや感がありますし、今でもずっと引きずっている自分がいます。

宮野:パッと出てくる経験でもこれだけあるもんね、自分の中にはずっと残っている経験なんだね。ちなみに、それでうまくいったことはあるの?

重成:高校に入ってから、夏休みの課題で家庭科の自由研究があったんです。いつも通り気合いを入れて取り組みました。段ボールで流しそうめんを作ってみようと思って、頑張りました。結果は、水圧で壊れてしまったのですが、今回は提出してみました。そうすると、思ったよりも同級生にウケたんです。

宮野:これまでの自分だったら出さないのに今回は失敗しても出してみたんだ。そうしたら周りの反応が良かったんだ。

重成:そうです。出してよかったなぁと思いました。

宮野:へえ!まだ聞いてみたいところですが、一旦表くんにも聞いてみましょうか。

 

宮野:表くんは、「失敗」と聞いて、思い浮かぶことはなんですか?

表:小さい時に空港で飛行機に乗ろうとしていたとき、エレベーターでお母さんとはぐれて飛行機を逃してしまったことです。

宮野:それは大変だったね。そんな経験は今振り返るとどうですか?

表:僕は多分、流されやすいのかなと思います。よく言えば、人の意見を取り入れやすいともとれますが、人の指示がないと動けない、自分の意思を持って行動していない、というところがあると思います。

宮野:めっちゃ内省しているね。他にはどんな経験がある?

表:小学生のとき、お楽しみ会で、みんなサッカーやりたい、と言っていたんですが、自分はドッジボールをやりたいと本当は思っていたんです。だけどそれを伝えることができなくて、結局サッカーをしました。自分がやりたいことをやらない自分もいるなと思います。

宮野:なるほどなぁ。やっぱりパッと出てくるものなんだね。ちなみに、表くんはブータンから来ていると思うのだけど、ブータンでは、「失敗」ってどういう感じなんだろう?

表:例えば、学校の授業では基本的に手をあげないですね。失敗したくない、怒られたくない、恥ずかしいという気持ちがあると思います。目立つと、あいついきっていると思われることも多いです。間違えることは悪いことではないですが、毎回同じことを繰り返すのはよくないという考えはあります。

宮野:なるほどね。日本とも通じるところがありそうだね。ちなみに、価値のある失敗とそうでない失敗があるとすると、表くんはどう分ける?

表:愚かな失敗は、取り返しがつかないこと、失敗を次に生かせないことですかね。価値ある失敗は、メリットになる失敗だと思います。

宮野:なるほど。確かに取り返しのつかないこと、例えば命に関わることや犯罪とかは行けないね。次に生かせるか生かせないかは一つの基準になりそうだね。

宮野:少し話は変わりますが、学校経営スローガン「失敗を共に称え合う学校」を初めて見たとき、聞いたときの印象はどうだった?

表:そういう場面は少ないと思うんですよね。失敗したくない人は多いし。努力して、失敗して、落ち込むというのが多い気がします。

重成:誰かのどういう過去があったのかを知ったり、あんな過去があったなと思い返したりする機会にもなるなと思いました。

宮野:なるほどね。ちなみに二人はどんな失敗をしてみたい?笑

表:自分でやりたいプロジェクトをやって失敗したいです!

重成:ものづくりをたくさんやって、失敗を繰り返して、いいものに変えていきたいです!

 

宮野:いいね!ちなみに、もし「失敗を表彰する」となったら、どういう失敗を表彰するといいかなぁ?

表:自分がした失敗を明るく捉えて、それをいかに笑える失敗にできているか、かな。

重成:例えば、マラソンを走っていて、おばあちゃんを助けた。マラソンでは負けたけど、人としては成功、みたいな感じですかね。

宮野:めっちゃいいね!いま失敗を表彰したい人はいる?

表:同級生の出村くんは、たくさん失敗しているように見えるんですが、日に日に自分の気持ちを伝える表現力がついて、変わってきたと思うんですよ。すごいなと思います。

宮野:へぇ。そうなんだ!近くで見ているからこそわかることだよね。二人はバスケット同好会に所属しているけど、同好会だと失敗を生かす場面ってあるの?

重成:例えば試合だと、作戦を考えていても、それを崩された(失敗)から、これをこうしていこうと新たな作戦を考える必要があります。また、ファールの際どい境目を知ることもあると思います。僕の中では、良いファールは絶対決められたくないときにするファール、悪いファールは焦っててしてしまうファールだと思っているのですが、その境目は、何度か失敗をして感覚をつかんでいきます。

宮野:確かに失敗をすることで修正点が見えてきて工夫が生まれたり、基準が明らかになっていくということはありそうだよね。

 

宮野:改めて失敗って、とてもよくはたらくことがあると思うけど、やはり恐れもあると思うんだよね。その中で、失敗に踏み込む雰囲気というのはどのようにつくっていくといいと思う?

重成:最初に何人かが失敗をして、その次につなげていく人がいたらそうなっていきそう。

表:確かに、高校生のうちにやらかす失敗は大したことない。失敗して落ち込まない。踏み込める人は、人の目を気にしない共通点があると思う。失敗をしたくないは、人の目を気にしていると思う。集団で生きていても、自分が確立していると人の目は気にならないのではないかと思う。ユニークな人とかそうですよね。あとは、一度大きな失敗をする、大きなものを見る、比較するとかも大事そうですね。

宮野:なるほどね、ロールモデルがいるとやりやすいよね確かに。大きな失敗をしたり、他に大きなものをみて、自分と比較すると確かになんでもできそうな気がしてくるね。

 

宮野:最後に、2人にとって「失敗」について改めて教えてください。

表:自分に不可欠なもの、失敗がないと自分がやりたいことができないかもしれない、失敗を恐れずにやることは自分が一番成長できるものだと思います。

重成:これからする失敗が成長できる失敗であればどんどん楽しくなるんじゃないかと思います。

宮野:お二人ともありがとうございました。我々も失敗を恐れずどんどん踏み込んでいきたいものですね!

表・重成:ありがとうございました!

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