日々の実践

隠岐國学習センターにて「かたらーや」が実施されました

本校の約7割の生徒が公立塾である「隠岐國学習センター」に通っています。
いわゆる一般的な「塾」ではなく、自立学習とキャリア教育を柱とするカリキュラムは、本校のカリキュラムとも連動しています。夢探究の授業づくりには、隠岐國学習センターでキャリア教育を統括する澤さんにも参画してもらうなど、日々連携を超えた協働の場面が見られます。今日は、本校生徒および教員が多数参加した「じぶん夢ゼミ」のレポートをお届けします。

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隠岐國学習センターに通う3年生は、昨冬から「じぶん夢ゼミ」に取り組んできました。ゼミで目指してきたのは、たくさんの人と関わりながらじぶんと深く向き合い、じぶんの人生を自分で方向づけること。そしてそれをじぶんの言葉で表現することです。

そのゼミの集大成として、6月14日に行われた「かたらーや」では、高校3年生21名が「いま語らずにはいられないテーマ」をそれぞれ選び、お越しいただいた参加者のみなさんと一緒に対話を重ね、お互いに深めていく時間を持ちました。当日は後輩たち、保護者の方、地域の方、県外の方、そして本校教員など、総勢90名の方にお越しいただき、3つの会場に分かれて対話が行われました。

大人も子どもも関係なく平場で語り合うことの尊さを改めて感じました

高校生たちからは「忘れられないことは?」「責任ある立場とは?」「子ども心をさらけ出すには?」「好きなことや得意を生かすとは?」「自分を見つめるとき、どんな自分をみてますか?」「生きる意味とは?」などなど、1人ひとりがじぶんなりに見出した魅力的な問いが会場に並びました。

すべての会場の共通の約束として大切にしたのは、参加者全員が立場を超えて純粋にこの場を楽しむこと、「いま、ここ」にいることに集中するということで、スタッフたちもスタッフでありながら対話に入ります。ある女子生徒は、自分自身や同級生が、つい自分の好きなところではなく、嫌なところを見てしまうことに悩んでいて、「自分の好きなところって言えますか?」というお題を、参加者の皆さんに投げかけていました。

お題を(まったく遠慮なく!)投げ込む高校生たち

対話の中では、自分の好きなところを幼少期のエピソードとともに嬉しそうに語る人がいたり、「自分のいいところ」は他人の評価が入る客観的なものだけれど、「自分の好きなところ」は普遍的で、主観的なものかもしれないという話があったり、「好きな自分」と、「自分の好きなところ」って同じなのか、違うのかなど、対話の中でまた新たな問いが生まれる場面もありました。

高校生はもちろん、参加する大人の皆さんからも「こんな話をしたのは久しぶりかもしれない」と、思わず前のめりに話をしている姿が印象的で、最初は緊張感も漂っていた会場は、時間を追うごとに、じんわりとほぐれ、あたたかくなり、ときには大きな笑い声も聞こえてくるようになりました。高校生と大人が、話をする側、される側、育てる側、育てられる側という関係を超えて、それぞれが1人の人間として純粋にその場を楽しむことで、対話の熱量がぐんぐんと高まっていったような感覚がありました。

対話が終わったあとには、話題提供者の高校生に、参加者の皆さんからたくさんの応援メッセージが贈られました。「悩みながらも自分の想いを素直に伝えられるのがすごい」「楽しい時間はあっという間で、おかわりしたくなった」など、たくさんのコメントが寄せられました。また、生徒本人に対してのコメントに加え「先生が生徒のそばで本音をさらけ出しているのがよかった」という地域の方のからの声もありました。

参加者は赤ちゃんから60代まで!

最後の締めくくりでは、高校生が1人ずつふりかえりをする時間があり、「今日のような対話の場を、家族や地域の人ともやってみたいと思った」、「今は、好きな自分でいられる場所や空間を大切にしたいと思った」、「自分がわかると、自分に自信を持てるし、自分らしい決断ができると思った」など、1人ひとりが自分の言葉をゆっくりとたしかめるように、そして晴れやかな表情で話をする姿が印象的でした。

高校生のみなさん、あらためてここまで本当におつかれさまでした。そして、これからも一緒にがんばっていきましょう。

また、お越しいただいた参加者のみなさま、素敵な時間を一緒につくっていただき、本当にありがとうございました。一緒に運営に携わったあるスタッフの言葉を借りると、みんなでつくりあげた「演奏会」のような、そんな空気が流れる時間となりました。

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高校と隠岐國学習センター。
異なる組織が協働をベースに補い合い、高め合う存在は互いにとって本当にありがたい存在です。スタッフの皆さんも参加した先生方も本当におつかれさまでした!

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