日々の実践

島根県立大学との協定による特別講演会を実施しました

11日(水)、島根県立大学との協定による特別講演会を実施しました。ゲストスピーカーとして、西ノ島町出身の東京大学社会科学研究所の宇野重規先生にお越しいただき、全校生徒に対して「隠岐島前がもたらす未来の希望」という演題でお話しいただきました。

宇野先生は、今後社会がどのように変わるかの大前提として、具体的に ①人口減少社会が到来する、②AI(人工知能)・BI(ベーシックインカム)社会が到来する、③長期寿命時代が到来する という3点についてお話しいただきました。

その後、そういった社会になることが前提となる社会において、これからの高校生が「どのように働き、どのように生きるのか」についてお話しいただきました。とくに現代においては、自分が働く<地域>を選び直す人々が増えていることや実際に隠岐島前への移住者などの事例に触れ、今後の日本社会における仕事は、「稼ぎ・仕事・暮らし」というように定義が多様になるのではないかとお話しいただきました。

これからの時代「どこで働くか」も重要に。

また、宇野先生が専門とされている「希望学」の観点からは、「人々がどのように希望を抱いているか調査してみると、性別・年齢や年収などではとくに面白いデータは出てこなかった。一方で、『挫折経験』を聴くと、挫折経験がある方が未来に希望を持っていることがわかった」とお話しいただきました。同じような実験をマウスでしている実験結果についても、「マウスを迷路に入れた時、最初に多く悩み、失敗する方が早くゴールにたどり着くことがわかった」とご紹介いただきました。

締めくくりとして、「これからの時代は、紹介してきたように正解がなく、社会そのものもどうなるかわからないまさに『迷路』のような時代になる。私たちはマウスではないけれど、私たちも多く悩み、多く失敗する方が未来に対して希望を持てるのではないか。それがいま大切なことではないか。」とお話しいただきました。

生徒の質問にもていねいにお応えいただきました。

講演後、生徒からは「価値観が多様になり、自分自身も多拠点生活をすることを想定しているが、宇野先生が仮に今高校生だったらどのようなことを考え、どのようなことを実践されますか?」という質問が寄せられ、宇野先生は「昔から海外に行きたいと思っていて、恐らくそれは変わらずいろんな外国に行ってみると思う。でも、今は日本の地域が本当に多様でおもしろく、もしかしたら日本の地域めぐりなんかもするかもしれない」とお応えいただきました。

宇野先生、貴重なお話しをいただき、本当にありがとうございました。

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