日々の実践

夢探究Ⅰで「食 × 西ノ島」をテーマにゲストトークを実施しました

15日(火)、1年生の「夢探究Ⅰ」でオンラインでのゲストトークを実施しました。

これは「食 × 西ノ島」をテーマに実施する3回の授業のうちの2回目で、1学期に学んだ「問いを立てる」ことを、2学期は島前地域を題材に、問いを立てるだけでなく仮説を検証する試行錯誤をしていくなかで、地域の魅力と課題について学んでいきます。

 

1回目(9/10(木)):事前学習 ~事前調査をし、問いと仮説を立てる~

まずは西ノ島町の食について知り、自分たちが知りたい・気になったこと(問い)と、その問いに対する自分たちなりの仮説を立ててみました。

資料として、西ノ島の歴史が載った「町誌」や、西ノ島町民の健康向上のための施策がまとまった資料、西ノ島が題材として取り上げられた漫画「美味しんぼ」など様々な素材を通じて、西ノ島の食とはどのようなもので、今どのような状況であるのかに触れました。

そして、一人ひとりが問いを立てた上で、グループで1つ、問いと仮説をまとめました。

 

2回目(9/15(火)):ゲストトーク ~地域の方に話を聞き、仮説を検証する~

事前学習を経た上で、今度は西ノ島の食に関わるゲストの方々に、自分たちが立てた仮説と問いが実際どうなのかをぶつけていきます。

今回の授業に協力いただいたゲストはお二人。西ノ島町食生活改善推進協議会の会長を務めている板脇美代子さんと、西ノ島町役場・観光定住課課長の福間章仁さんです。

「西ノ島の郷土料理は、イカ団子やアゴ団子など、なぜ団子状にしたものが多いのか」や、「データから西ノ島町民は塩分や脂質の過剰摂取が見て取れるが、それはなぜなのか」、「郷土料理はいま家庭ではあまり食べられていないのはなぜか」など、幅広い視点の問いが生徒たちからゲストのお二人に向けられました。

お二人が活動されている領域の観点から、「団子状の料理が多いのは保存が効いたり味付けにバリエーションを持たせられるから」や、「塩分の過剰摂取は食が欧米化してきていることから起こっている」、「西ノ島独自のバーガーとして『スリーミーバーガー』を開発してじゃらん賞を受賞したことがある」など、時に笑いを挟みながら丁寧に回答をしてくださいました。

西ノ島町出身の生徒でも知らないことが数多くあったようで、生徒たちは真剣にメモを取りながら熱心にお話を聞いていました。とくにお二人からいただいた「自分のふるさとを自慢できるようになって欲しい」というメッセージが特に心に響いたようでした。

 

3回目(9/16(水)):事後学習~ 西ノ島の食について魅力と課題を考える~

最後に、事前学習とゲストトークを踏まえ、西ノ島の食の「魅力」と「課題」が何かを考えました。まずは一人ひとりが自分で考えた上で、ワールドカフェという手法を使い、自分のグループと他のグループで考えを共有していきました。他のグループとの共有の中で、どんどん自分と異なる意見や考えに出会えたことを楽しんでいる様子でした。

最後に、元のグループに戻り「西ノ島の食を応援するために、自分(たち)にできることは?」というテーマでディスカッション。SNSに投稿して全国の人たちに魅力を発信する、高校生が新しい郷土料理を開発する、イベントに高校生が食の出店をする、寮の食事に郷土料理を出す、畑で野菜を作るなど、高校生の自分たちにもできることについてアイデアを出し合いました。

3回の授業を通じて生徒からは、「西ノ島の郷土料理を食べてみたい、実際に作ってみたくなった」、「帰省した時に家族に食べてもらいたい」、「郷土料理が若い人に伝わっておらずこのままでは継承されないので、自分たちにできることをしていきたい」といった感想が見られました。

実際に地域で活動されている方々のお話を聞くことは、生徒たちにとって新鮮で、興味を強く惹かれたようでした。ご協力いただきました板脇さん、福間さんに改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました!

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今回の夢探究Ⅰは教科横断型の授業設計を意識し、英語科と理科の教員とコーディネーターの三者で協働してつくり上げました。英語のコミュニケーションで和食を取り上げていることから、教科と総合的な探究の時間がシームレスになるよう教職員の挑戦もありました。

今後の夢探究でも、島前地域を題材に、様々な教科の観点を混ぜて横断的に学んでいきます。次回は保健体育と古典の組み合わせ。こちらも非常に面白い授業になりそうです。是非、ご期待ください。

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