校長室より

「ノーミスはノーポイント」(第1学期終業式式辞)

1学期の終業式をむかえました。この1学期間、新型コロナウイルス感染症の影響が広がる中ではありますが、学校全体では大きな事故もなく無事に今日の日をむかえることができたことを喜びたいと思います。生徒の皆さんは、学期の境目であるこの機会に、4月以降の自身の生活を振り返り、2学期の取り組みに繋げてください。

さて、コロナ渦にあって、年度当初から学校の様々な活動に制限を掛けざるを得なくなりました。先々の見通しが持ちにくい状況が続いたことから、君たちも不安に思ったり悩みを持ったりすることがあったことでしょう。これからは、感染が全世界で拡大している現状を客観的に受け止め、足元を見つめて今の自分にできることに焦点をあてる、そのことが大切になってきます。

君たちのことで言えば、若年層は、無症状であったり軽症であったりする確率が高いことを自覚し、その上で感染を広げないように努めることが求められます。感染拡大はまだしばらく続いたとしても、いずれは終息に至ります。その時に、自分の将来を見据え、そこに希望を持てる自分が居るか、そのことこそが重要です。学校としては、現在様々な制限が掛かる中ではあっても、終息後、一つ先のステージに立っている隠岐島前高校であるように、今から課題と向き合い、さらに強みを生かし、それを打ち出すことが求められると考えています。

話は変わりますが、お笑いタレントの松本人志さんは皆さんもよく知っていると思います。お笑いだけでなく幅広く活躍されている方ですが、的を射たコメントや示唆に富む発言もあり、私も以前から気になる存在として意識しています。その松本さん、こんなことも言っておられます。「100点は無理かもしれん。でも、MAXなら出せるやろ。」さらに、「ノーミスのままじゃノーポイント」。言わんとするところはおそらく、結果は恐れなくていい、約束された結果なんて、誰にもないんだから。大切なのは結果よりその過程。いろんなことにチャレンジして失敗してはじめて気づくこと、得られるものがあるんだ。だから失敗を恐れちゃいけないよ。君たちにこんな解釈は不要でしょう。「100点は無理でもMAXなら出せる、ノーミスはノーポイント」、そのことばをそのまま自分の日々の実践に繋げてほしい、そう考えます。

1学期は終わりますが2学期に向けて、1年生には、高校生活の目標を今一度しっかりと定め、毎日の授業や部活動に真剣に取り組んでほしい。2年生には、高校卒業後の進路を見据え、今のうちにやっておくべきことを自覚して実践してほしい。3年生には、進路実現のためにやるべきこと、その優先順位を明確に定め全力で取り組んでほしい。同じ校舎で学び、あるいは寝食を共にしても、現実として生徒の意識には大きな違いがあります。特に、学年ごとの意識の違いは顕著であり、進路実現が間近にせまっている3年生と、1・2年生には当然違いがあります。

3年生にとっては自分たちが通ってきた道であるからこそ、今の1・2年生の置かれた状況や気持ちを理解することができます。しかし、1・2年生にとって、今の3年生の置かれた状況や心理状態をリアルに想像することはきっと難しいはずです。でも、今の3年生の姿は、まぎれもなく1年後、2年後の自分自身です。そう考えれば1・2年生、3年生にYELLを送りたい、そんな気持ちになりませんか。きっとなるはずです。そうであるならば、1・2年生それぞれが今自分のやるべきこと、学校生活であったり寮生活であったり、また自分が大切にする活動、それらを充実させること、そのことにMAXで取り組んでほしい。そのことが生徒全体の意識を高め、ひいては3年生の進路実現を後押しすることにも繋がっていきます。そのことこそが3年生へのYELLになると考えます。3年生はそのYELLに応えてください。

さて、1学期は授業日数を確保するために終業式が遅くなった分、夏休みは短くなりました。寮生の約1/3の人は帰省せずに寮に残るわけですが、寮規則を守り、怪我や事故が起こらないように自己管理に努めてください。また、帰省する人は、新型コロナウイルス感染症の感染防止について、この後のHRでの確認事項をしっかりと守ってください。

最後になりますが、皆さんが充実した夏休みを過ごし、心身ともにリフレッシュをして元気に2学期再会できることを期待しています。

以上、終業式の式辞とします。

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