校長室より

「就職・進学、その先の未来へ」(第3学期始業式)

3学期の始業式をむかえました。コロナ禍の冬休みとなりましたが、皆さんどのように過ごすことができましたか。久方ぶりに実家に帰省し、家族と共に迎える新年に願いを新たにした人も多いことでしょう。

さて、3年生は、この地で生活する時間も刻一刻と少なくなってきています。大学入学共通テストを直前に控えている人にとって今はそのことで頭が一杯でしょう。1・2年生にとっては、背中を見て追いかけてきた3年生との時間が残りわずかになっていくことに寂しさを感じている人も少なくないはずです。その意味において、3学期は別れの時期ではありますが、また、一方で新たなスタートへの準備の時期でもあります。そのような受け止め方で、この3学期をスタートさせてもらいたいと期待します。

ところで今、社会では教育の在り方が問われています。そして大きな教育改革の時期を向かえています。その背景には、急速なグローバル化や情報化という大きな社会の変化があり、10年~20年後の仕事の形態や職業そのものについても不透明で予測が困難な状況です。一説によると今の子どもたちの半数以上は、将来、今は存在しない職業に就くという予測もあるほどです。このような状況にあって、学校においては教科中心の学力を保証することだけでなく、これからの社会の変化を視野に入れた改革を進めていくことが求められています。我々教職員は、「進学のその先にある未来」や「就職の先にある未来」を見据え、そのことをしっかりと自覚して君たち生徒一人一人と向き合っていきます。

それでは、「これからの時代を生きていく君たち高校生は、在学中にどのような力や態度を身に付けておく必要がありますか。」と問われた時に、君たちはどう答えますか。勿論、答えは一つでなく、様々な捉え方や考え方があるでしょうし、既に自分なりの考え方を持って取り組んでいる人もいるはずです。自分なりの考えを持つことができていない人は、ぜひ、時間がある時に考えてみてください。私が大切だと考えることもいくつかありますが、その中の一つは「新たなことを常に学び続ける力、学び続ける覚悟」ということです。寿命の延長や仕事、あるいは環境が変わる中で、これからの社会において学ぶことが常態化していくことは必然です。高校在学中から広い視野で社会や世界の状況に関心を持ち、どのような環境で自分の持ち味を発揮していこうとするのか、真剣に自分と向き合うことができるならば君たちの未来には希望が広がります。「学び続ける力とその覚悟」を持ち、日々の授業を大切にして着実な歩みを続けてください。

1年生は、2学期の後半から「総合的な探究の時間」において地域に出向いての班別活動が行われるようになり、校長室にも許可を得に出入りする生徒が増えてきました。来室の際、時間に余裕がありそうならば一言二言言葉を交わすこともできて嬉しく感じています。2年生は、2学期の海外研修旅行を予定変更して2月当初に実施します。地域課題解決学習の最終発表の機会として、また、グローバル、ローカル双方の視点から島前地域や自分自身を見つめ直す機会として、研修が充実した内容になるように皆で作り上げてください。3年生で大学入学共通テストを控えている人は、体調管理に努め最後まで粘り強く頑張ってください。また、進路が内定した人は、新年度までの限られた期間を有効に活用して今やるべきことに取り組んでください。

さて、最後になりますが、新型コロナウイルス感染症の感染防止について確認をしておきます。この3学期の始まり、特にこれからの2週間は生徒・教職員一人一人の感染防止に対する意識が重要になってきます。他の高校と比較して際立って県外からの生徒が多く通う本校においては、その意識が特に重要な時期を迎えていることをまずしっかりと自覚してください。誰がいつ感染し、そしていつ他人に感染させてしまうのか、そんなこともわからない状況はもうしばらく続くと思われます。その上で、お互いが感染防止に関わる基本を確実に実践していきましょう。毎朝の検温などの体調確認、マスクの着用、咳エチケット、手洗いの励行、そして部屋の換気等です。寮においても最大限の警戒が必要だと心得てください。世界的な動きの中でワクチンの開発が進み、海外においては計画的な接種も行われるようになってきており、少しずつ出口に光も見え始めています。

最後に大切なことを確認しておきますが、今後、万一、本校生徒・教職員そして関係者において、PCR検査の結果、陽性が確認されたとしても、感染者への誹謗中傷はもちろん、感染者に関わる情報をSNS等で発信するような軽率な行動は絶対にしないでください。

それでは充実した3学期になることを期待し、始業式の式辞とします。

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