校長室より

【里にゃ、人情の花が咲く】

私は隠岐の島町の出身。中学生時代の3年間は西ノ島町で過ごしていた。令和4年4月に本校校長の職を拝命し、約40年ぶりに隠岐で生活することとなった。

本校生徒が新聞紙面や多くのWeb記事で紹介されるが、その際には自然・人との出会い・ささやかな出来事に感じる幸せ感が語られている。「何がそんなに魅力的なの?」と正直最初は感じていたが、海士町での生活を始めて11ヶ月が経過し、私も隠岐弁がほぼよみがえり、日々の会話等のなかに人と人との繋がりの強さを実感している。ある人から「先生、この間キャベツ抱えちょったな」、「先生、この間は西ノ島におったって聞いたぞ」と言われても、これを大げさにプライバシーの侵害などとは思わず、「気にかけてくださっているんだな」と素直に思えるようになった。このような日常を隠岐生まれの私でも強く感じているから、県外・島外からの生徒たちはさらに強烈に感じているのだろうと想像できる。

また、島内出身の生徒たちと話をしていても「県外から来た人たちと話をしているうちに、地域の温かさや自然の魅力をようやく実感できるようになった」という言葉を聞くことも多い。大切な”もの”や”こと”ほど気づきにくく、見つけにくいものなのかもしれない。

今回はこの場で特に何かを語ろうとは思わない。以下は私の個人的なSNSの投稿の一部である。公式HPにはふさわしくない内容であることはあえて承知で、このエリアの日常や人情の一部を想像していただければ。

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帰宅前に地元商店でお買い物。いつもよくしてくださるおばさんと私の会話です。方言とアクセントの文字化が難しい!

野:「おばさん、ござっか?」

商:「先生ござったかの?出張だったみたいだな、まめで ござったか?」

野:「なんとか、まめに しちょった とこだ」

(お買い物中)

野:「おばさん、見たことない〇〇(お酒の名前)が あんな。〇〇に紙パック あったかえ?」

商:「〇〇酒造が新しく つくったけんな。なかなか デザインがしゃれちょっがな」

野:「そえだな。なら、ひとつ買って帰っわ」

商:「紙で中が見えんけ、どえだけ 飲んだかわからんがなぁ。呑みすぎんなよ」

野:「抱えら、重さでわかっわな」

野+商:「ハハハ(笑)」

※いつもこんな感じです。

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