インタビュー特集

「ワクワクしましょう!教員も生徒と一緒にありのままで挑戦する」――学園祭運営に挑む高村先生の『教員マイプロ』と、生徒と共に育みあう学校のリアル――

今回は、高村先生のインタビューをお届けします。

9月4日(金)~6日(日)の3日間開催となった学園祭運営に「教員マイプロ」として挑戦された高村先生。生徒に助けられたという学園祭の裏話や、教員と生徒が「ありのまま」で向き合う島前高校ならではの温かい空気感に迫ります。

 

1.「港まで『お帰り』って迎えに来てくれた」――2度目の島前高校勤務へ

――まずは自己紹介と、島前高校に対する最初の印象を教えてください。

高村先生: 高村渉太と言います。出身は隠岐の島町で、生まれも育ちも島です。大学に進学した後に島前高校へ赴任し、一度別の学校へ転勤したのち、再び戻ってきました。実質2回目の勤務で、今回の勤務は4年目になります。

高校時代は島前高校に対して、「島でのびのびと育てられた生徒たちが通う学校」という印象を持っていました。1回目の勤務で赴任した時は「みんな元気だな」と感じましたね。

その後、一度転勤して2年後に再び島前高校へ戻ってくることになったのですが、復帰した時に生徒たちが自分のやりたいことやプロジェクトに全力で向かっていく姿を見て、「自分より頑張っているんじゃないか」と驚きました。生徒たちが意志を持って前進していく凄さは、今も変わらず感じています。

――2度目の赴任となった際、学校の雰囲気はいかがでしたか?

高村先生: 島前高校は教員の移動が比較的激しい学校なのですが、2年ぶりに戻ってきたオリエンテーションの際、先生方が港まで迎えに来てくださったんです。「お帰り」と声をかけてもらえて、「あったかいな」と嬉しかったですね。

規模感がコンパクトな学校ということもあり、夢探究(総合的学習の時間)の会議や学園祭などの大きな行事も全教職員で協力して運営します。職員室も部屋で仕切られておらず、ほぼ全員が一つの空間に集まっているので、コミュニケーションも自然と増え、一体感が生まれているのだと思います。1回目の勤務時はコロナ禍の真っ只中で、オンライン入学式や隔離対応など全教職員で必死に乗り切った経験もあり、より結束が深まっているのかもしれません。

 

2.「『自分たちの学園祭だ!』と生徒が引っぱってくれた」――生徒部への挑戦と『教員マイプロ』

――『教員マイプロ』は以前からあったのですか?

高村先生: 1回目の勤務の時には「教員マイプロ」という取り組み自体はまだありませんでした。当時は教科同士を掛け合わせたコラボ授業などの試みが行われていましたね。

生徒たちがマイプロジェクトで挑戦している以上、私たち教員も何か挑戦しなければという思いがありました。そこで私自身、これまでの「総務部(学校の基礎や式典などを担当する部署)」から、初めて「生徒部(生徒会や学園祭などを担当する部署)」へと部署を変えました。大きな行事を取り仕切るのは自分にできるだろうかという不安もありましたが、「お願いされたならやってみよう」と一歩を踏み出したんです。数年前の自分なら挑戦していたかどうか分からないくらいの大きな「踏み込み」でした。

 

――具体的にはどのような『教員マイプロ』に取り組まれたのですか?

高村先生: テーマは「みんなが楽しかったと思える学園祭にする」ということです。

今年は学園祭が従来の2日間から3日間開催へと変更になり、ほぼゼロベースからの企画・運営となりました。誰かが手持ちぶさたになったり冷めてしまったりせず、みんなで楽しめるお祭りにしたいという一心でしたね。

評価基準やガイドラインを分かりやすく共有しようと試行錯誤したのですが、書いているうちに難しくなってしまい、周囲から「分かりづらい」と言われて反省することもありました(笑)。まさに挑戦したからこその空回りもありましたが、総括すると「生徒に助けられた学園祭だったな」と感じています。

 

――生徒のみなさんとの関わりの中で、特に印象に残っていることはありますか?

高村先生: 「学校が用意した行事」という受け身ではなく、生徒たちが「俺たちの学園祭だ!」という強い気持ちで盛り上げてくれたことです。忙しい日程の中でも自分たちで主体的に動き、作り上げてくれました。私自身が全てお膳立てするのではなく、パイプ役として見守り、必要な時に手を差し伸べる伴走者のようなスタンスで関わりました。生徒たちの踏み込みや熱量が本当に素晴らしかったです。

3.「教員の鎧を着ずに、ありのままで向き合える」――主体性と批判的思考力を育む生徒との距離感

――島前高校の先生方とお話していると、生徒のみなさんをとても尊重されているのが伝わってきます。

高村先生: 生徒自身が日常的に「自分たちでなんとかしよう」と考えて行動する土台ができているからだと思います。教員から言われたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、「本当かな?」と一度疑って考える「批判的思考力」を持っていますね。

私自身、他の学校を多く経験しているわけではありませんが、島前高校では「教員はこうあるべき」という過度な型や「教える側の鎧」を着る必要があまりありません。ありのままの自分で生徒と向き合える環境は、すごく恵まれていると感じます。

 

4.「ワクワクした心を持って関わってほしい」――未来の生徒・保護者・地域の方々へのメッセージ

――最後に、この記事を読んでいる中学生や保護者、地域の方々へメッセージをお願いします!

高村先生: 赴任してからずっと感じているのは、「ワクワクしましょう」ということです。

教員マイプロにしても授業にしても、やっている側がワクワクしていないと面白くありません。ぜひワクワクした心を持って、笑顔を忘れずに島前高校と関わってもらえたら嬉しいです。

 

(取材・文:隠岐島前高校事務 三坂綾美 2026年9月)

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