日々の実践

令和4年度卒業式 卒業生答辞

1日(水)、令和4年度卒業式が行われました。3年ぶりに対面での卒業式を挙行することができ、保護者もお招きし、在校生・教職員一丸となって精一杯送り出しました。

 

今日は、卒業式当日、卒業生代表として、西ノ島町出身の山下碧葉さんによって読まれた答辞をご紹介します。

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春の柔らかな日差しが降り注ぎ、島前の海が穏やかに透き通って見える季節になりました。本 日は私たち54名のために3年ぶりとなる、対面での卒業式を開いていただき、ありがとうございま す。

3年前の春、私たちの高校生活はオンラインの入学式から始まりました。入学しても新しいクラ スメートになかなか会えず、自粛期間中にできた寮生の輪に上手く馴染めるのか不安だった被 服室での初対面が、もう3年も前だということに驚きます。不安だったことは鮮明に覚えています が、みんなの明るさや優しさのおかげで、いつのまにかその不安も消え、楽しく充実した高校生 活を過ごすことができ、今日という日を迎えることができました。

私が、この島前高校で得た1番の財産は、たくさんの方々に出会いです。私は高校に入学する までの15年間を西ノ島町で過ごしてきて、長い付き合いになる友達とは保育園から、毎日一緒に 過ごしてきました。そんな小さなコミュニティで育った私は、全国から来た友達や、私にはない考 えや経験を持つ大人の皆さんから、たくさん刺激を与えてもらいました。地域活動に励む友達や プロジェクトを企画する友達、小さなことで言うと言葉の選択や話し方が上手な友達の姿を見て、 憧れたり、こっそり真似してみたりしてきました。自分の変化に気づくことは難しいけれど、何気ない会話での相槌や、たまにする意見発表で、もしかしたら自分はあの人に似てきたかもしれない と思うことが何度かありました。それも、ずっとそばにいてくれて、私の憧れでい続けてくれた友達 のおかげです。島前高校に来て、自分を変えることができたと強く感じています。

今日までの高校生活を支え、指導してくださった先生方、ありがとうございました。私は先生方 やコーディネーターのみなさんとの距離感にとても居心地の良さを感じていました。廊下ですれ 違うと声をかけてくださる先生、勉強していると応援してくださる先生、受験期に手厚くサポートをしてくださる先生。生徒一人一人を想い、見守ってくださる先生方に囲まれて過ごしたこの3年間 は、とても幸せでした。3年生を代表して、心から感謝いたします。

また、学習センターの存在は、利用する私たちにとって不可欠なものになりました。私たちの不 安や悩みに親身に向き合い、受験へのサポートも手厚くしてくださったスタッフの皆さんの存在 が、心の拠り所になった生徒はたくさんいるのではないでしょうか。 私にとって学習センターは、チャンスを与えてくれる場です。日々の学習はもちろん、人生劇場 やさまざまなゼミ活動に参加するチャンスを与え、私を変えるきっかけを与えてくださり、ありがと うございました。

在校生の皆さん、皆さんには、大切な存在や大切な場所はありますか?私にとってそれは部活 動でした。私たちバレー部は勝つことができず、人数も少ない部活動でした。それでも、毎日の放 課後の部活の時間が楽しみで、部員とバレーボールをし、練習に励む2、3時間が1日の中で1番 幸せな時間でした。もちろん、楽しいだけでなく、チームの気持ちを一つにする難しさを感じたり、 どれだけ練習しても上達を感じられず、焦りが出たりする時もありました。それでも楽しむことがで きたのは、同じ目標に向かい、同じ思いを持つ仲間の存在が大きかったと感じています。一緒に 頑張ってくれる仲間がいたから、バレーを楽しみ続けることができました。また、学校生活で自分 に自信が持てず、気分が落ち込んでいた時期でも、部活の時だけは、自分らしくいられる、安心 できる場所でした。

皆さんにはぜひ、この島前地域で、島前高校でそのような存在を作ってもらいたいと思っていま す。きっと、すでに思い浮かぶものがある人もいれば、まだ見つかっていない人もいると思いま す。好きな授業や活動、友達、地域の方、なんでもいいので、一つでも多く、そのような存在を見 つけてほしいです。きっとその存在が、辛い時や悩み事がある時でも、心の拠り所になると思い ます。島前高校で過ごす残りの時間を大切な存在と一緒に過ごしてください。

18年間支え、見守り続けてくれた家族のみなさん、ありがとうございました。それぞれの家族の 形があり、今の私たちがいます。これからも、新しい一歩を踏み出すためには、家族の存在が不可欠です。きっとこれまでに心配や迷惑をかけてきたと思います。そして、これからの新たな一歩 を踏み出すためにもたくさん心配や迷惑をかけていくと思います。それでも、見守り続けてくださ い。苦しい時に安心して帰れる場所があるありがたさを感じながら、これから私たちはそれぞれ の道に向かい、頑張って、踏ん張っていきます。

そして、3年間を共に過ごし、たくさんの刺激を与えてくれた3年生。私たちはマスクを外して高校生活を過ごすことができませんでした。火の集いでフォークダンスを踊ることができませんでし た。シンガポールに行くことができませんでした。でもきっと、たくさんの制限がある中でも、一人 一人それぞれが素敵な思い出を作ることができたのではないでしょうか。できないことがたくさん あった分、日々の小さなことにもありがたさを感じ、自分にできることは何なのかを見つけること ができたのだと思います。その中で私は、それぞれが持つ素敵な個性が発揮されている場面を 毎日見てきました。いつも教室を明るくしてくれる人、自分の得意を存分に発揮する人、友達を思 いやれる人。そんな素敵な人たちの集まりが3年生です。素敵なメンバーに囲まれたから、制限 がある中でも、あっという間で幸せな3年間を過ごすことができたのだと実感しています。ありがと う。

RADの「正解」引用 最後に、私がこの3年間でたくさんの方々と出会った中で、1番印象に残っている言葉を紹介し ます。それは、「正解を選択するのではなく、選んだ方を自分で正解にする」と言う言葉です。私 は、話の内容をすぐに忘れてしまう方ですが、これだけは常に頭の片隅にあります。 また、2年時の学園祭のクラス合唱で、私たち2年1組が歌う予定だった、RADWIMPSの「正解」 の中にも、「解答用紙はあなたのこれからの人生」「採点基準はあなたのこれからの人生」と言う歌詞があります。これもまさに、自分で正解を切り開いていくと言うメッセージが込められている のではないでしょうか。これから私たちは、自分の道を自分で選択します。そして、それを正解にするのは私たち自身 です。きっとこれからも、それぞれの道でそれぞれの新たな一歩を踏み出せると私は信じていま す。 卒業生の、これから踏み出す、正解へ向けた新たな一歩への希望と、3年間支えてくださったすべての皆様、18年間見守り続けてくれた家族への感謝の気持ちを込めて答辞といたします。

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