グローバルな挑戦

グローバル探究2019 in ブータン その1

本校のグローバル探究の取り組みの一環として、ブータン王国チュカ県のチュカ・セントラルスクールで、7月27日から7月30日の3日間に渡って開催されたワークショップ「PBL for GNH」に、本校2年の武藤杏那、渡邉大悟、1年の應手小粋、能海瑠生の4名が参加しました。

都市部への人口流出と、チュカ県も含めた地域の衰退という課題を抱えるブータンの社会背景も踏まえ、ワークショップでは「日本人観光客が思わずチュカ県に訪れたくなるような3分間の観光PR映像をつくる」というミッションに取り組みました。

また、3日間全体を通じて、生徒1人ひとりが主体となり、日本人の高校生とブータン人の高校生がチームで協働しながらアウトプットをつくりあげていくPBL(Project-Based-Learning)型の学びに挑戦しました。

ワークショップ初日、会場には新たな挑戦への期待感と、それを上回る緊張感が入り混じる様子で、島前高校の生徒たちも「英語でコミュニケーションをとっていくことができるか不安」「どうしようもなくなったら、周りに頼るようにしたい」など、それぞれの気持ちを共有しながら、プログラムがはじまりました。

冒頭では、身体を動かすアイスブレイクのワークと、互いの自己紹介を行い、参加者同士、お互いの距離を少しずつ縮めていきます。なかなか言葉が上手く出てこない時もありましたが、身振り手振りもまじえて、一生懸命伝えよう、そして理解しようとする姿が印象的でした。

身体を使ったアイスブレイクのワーク

そして、いよいよミッションが発表され、本格的にチームでの議論が始まります。各チームに島前高校の生徒が1名、ブータンの高校生が4人もしくは5人が入り、そして各チームの伴走役として、ブータンの先生と、JICAの青年海外協力隊の皆さんにもサポートをいただきました。

PR映像をつくるにあたって、最初は、日本人の中でもどのような人をターゲットにするのか、その人にどのようなメッセージが伝わるといいのか、などの話し合いが行われます。そして、会場の中に設けられた相談ブースで、ワークショップのスタッフ陣にもアイデアをぶつけながら、構成を磨いていきます。

自分たちの考えを自分たちの言葉で伝えることが大切

「具体的にどのような年齢層、職業の人がターゲットになるのか?」
「チュカ県ならでは、の魅力は何なのか?」
「チームの一番のこだわりは?」

相談ブースでは、一昨年まで本校で勤務をされていた、島根大学准教授の中村怜詞先生をはじめ、スタッフからもたくさんの質問が飛び交い、生徒たちはそれに答えながら、自分たちが考えるべきポイントを明確にし、午後から予定されているフィールドワークに向けても準備を進めていきます。

そして、午後からのフィールドワークでは、実際に街に出かけ、地域の人に話をきいたり、映像の素材となる写真や、動画の撮影を行いながら、午前中に考えたアイデアをさらに熟成させていきます。

街中でインタビューをするチーム、オーガニックにこだわる農家さんの畑で野菜の収穫を手伝うチーム、滝が見えるポイントで撮影をするチームなど、チームごとに時間の使い方は様々でしたが、特にチュカ県外から来たブータン人の高校生、そして島前高校の生徒たちにとっては、チュカの街のイメージを具体的に膨らませる時間となったようです。

町中でインタビューするチームメンバー

そして夕方には各チーム学校に戻り、集めた素材をまとめ、ここまでの振り返りを行いました。各チーム少しずつアウトプットのイメージが見え始めてきた一方で、

「ターゲットとメッセージにズレがあったことに気づいた」
「チームの一部のメンバーだけで議論を進めてしまっていた」
「言葉の壁があって、本当に伝えたいことが伝えられなかった」

など、歯がゆさを感じるコメントも多くありました。

いよいよ2日目からは本格的に映像をつくっていく時間となり、3日目には最終プレゼンテーションを控えますが、その行方はいかに…。

(その2に続きます)

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