グローバルな挑戦

令和七年度グローバル(ブータン)探究レポート ~第四弾~

 グローバル探究(ブータン)の様子を引率教員・永田がお届けするレポート第四弾です。

 

 8月3日からは首都ティンプーへ移動し、研修を行いました。ティンプーは約11万人が暮らすブータン最大の都市で、これまで滞在していた地方都市とは雰囲気が異なり、多くの人が行き交い、にぎやかな雰囲気の中で買いものやイベントを楽しんでいました。今回は、ティンプーでの研修の様子をお伝えします。

 

 8月3日の午後から、「環境チーム」と「教育チーム」の二手に分かれ、研修を行いました。「環境チーム」はティンプーのごみ処理場を訪れ、現地のごみ問題の実情について学びました。ブータンには生活ごみを焼却する施設がなく、処理場には、ごみが山のように積み上げられていました。その様子は、いわゆる「ごみ処理場」というよりも「ごみの集積場」といった印象でした。また、多くのブータン人がこの場所の存在すら知らず、国民の間でごみ問題への意識がまだ十分に浸透していないことも分かりました。現場の光景や臭気は生徒たちに強い衝撃を与え、背景や課題を理解するだけでなく、肌で感じ取る貴重な学びの機会となったようです。

 「教育チーム」は昨年度、本校に海外留学生として学びに来ていた、タンディンらブータンの生徒にティンプーの街を案内してもらいました。ブータンの伝統的な踊り、市場などを見学し、日本との違いやブータンの文化、歴史について学ぶなど有意義な時間を過ごしていました。

 夕食は、ティンプーにある日本人経営の「はやてラーメン」で、久しぶりの日本食を堪能しました。この食事会には、海士町と交流のある方やJICAの職員の方々をお招きし、現地で感じておられることなど、実際の体験談を伺うことができました。また、生徒たちはこの日お世話になったタンディンをはじめ、ブータンの生徒たちと深く交流しました。別れの際にはプレゼントを交換するなど、名残を惜しみながらも、最後まで国境を越えた温かな交流を楽しんでいました。

 8月4日はティンプーの教育庁を訪問しました。PBL活動や、今回の探究活動の成果を発表し、フィードバックをいただき、ブータンの教育方法や、抱える問題などについて深く学びました。ここでも、通訳を介さず、自分の言葉で一生懸命伝えようする生徒の姿がありました。日ごろから人前で話すことに慣れている生徒たちでも、英語となると臆することもあるのかなと考えていましたが、そんな心配をする必要はありませんでした。堂々と成果を話す生徒たちに感動。頼もしい生徒たちです!!

 この日の夜はホームステイを体験しました。昨年度もお世話になったペマさんのご家庭に伺いました。これまでは学校の寮やホテルで宿泊してきましたが、最終日は実際のブータンの暮らしに触れることができる貴重な時間となりました。ペマさんは、日本のお米を使った料理や、ブータン料理を日本人向けにアレンジした料理を用意してくださるなど、生徒のことを思いやった温かいおもてなしをしてくださいました。さらに、生徒が関心を持つブータンの生態系や教育の歴史についても、対話を通してたくさんのお話をしてくださり、生徒たちは終始、前のめりに耳を傾けていました。

 次回は最終弾!8月5日、最終日の研修と、ブータンとのお別れ、帰国後の活動についてお届けします。

 

<これまでのレポート>

ブータン探究レポート 第一弾

ブータン探究レポート 第二弾

ブータン探究レポート 第三弾

 

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