日々の実践

13日(木)、学校行事として「失敗の日」を行いました

10月13日は、フィンランド共和国で、失敗を称え合う日「失敗の日」と制定されています。本校でも、今年度「失敗を共に称え合う学校」を学校経営スローガンに掲げ、この日を「失敗の日」として制定しました。そして、10月13日、「失敗を共に称え合い、未来に踏み込みを宣言する1日」として、第一回となる失敗の日を実施しました。

 

今年度第一回となる失敗の日の様子についてお伝えします。

 

●全校朝礼

・失敗共創プロジェクトリーダー佐藤先生による趣旨説明

学校経営の推進をする中で、なぜ今日の開催に至ったのかを説明しました。その中で、フィンランドには失敗の日があり、本校でも失敗を共に称え合う機会として取り入れることになったことが語られました。

・フィンランド大使館からのメッセージ動画

失敗の日を開催するにあたり、失敗共創プロジェクトメンバーからフィンランド大使館に(失敗を覚悟で)メッセージを依頼したところ、快く許可をいただき、字幕付きの動画をいただきました。報道・文化担当参事官からは、フィンランドで失敗の日ができた背景や失敗の価値、今日を素敵な1日にしてほしいというメッセージをいただきました。メッセージ動画が流れ出した時、生徒からは驚きの声が響きました。

・校長先生による開幕宣言

いきなりマイクの電池が入らないところからスタートした開幕宣言(運営側の失敗)。実はこの日を意識して語られていた1学期の終業式式辞に触れながら、失敗の日は、過去の失敗から大切なことを学んで、次こそうまくやろう。という前向きな記念日であることが伝えられ、生徒・教職員が一丸となって、失敗を称え合い、できない理由を、仲間の力を借りてできる理由に変換していきましょうというメッセージが送られました。

最後には、力強く

「島根県立隠岐島前高等学校第一回失敗の日開催を宣言します。今日一日、存分に失敗を語り合ってください。」

と開幕を宣言していただきました。

 

●1〜4限:しくじり先生+通常授業

1〜4限は通常授業でしたが、導入は、先生たちの失敗「しくじり先生」からスタートしました。進路選択で失敗した話、大好きなスキーで帰り道を間違えて足がパンパンになった話、大学時代に多くの研究費を使って成果が全く出なかった話など、「しくじり先生」は多岐に渡りました。

また、この日教職員は、「失敗Tシャツ」を着て盛り上げました。

●昼休み:失敗ラジオ

昼休みには、3年生3人による失敗ラジオを流しました。ラジオの中では、「小学校の時に先生をお母さんと呼んでしまったことがある」「googleと検索するときにゴーグルと打ってしまう」など、MCやリスナーからのプチ失敗談が紹介されました。(ちなみに、take6まで取り直したようでした。)

●掃除の時間:応援ソング

失敗続きでここまで来たので、掃除の時間は「応援ソング」を流すことにしました。中島みゆきさんの「ファイト!」、いきものがかりさんの「YELL」など、失敗を応援してくれるような選曲で流していきました。

●5限:特別講師による講演

この時間は、特別講師に、本校卒業生で海士町出身の井手上漠さんをお招きしました。生徒には、サプライズでお招きしていたため、登場シーンでは、生徒から驚きの声が上がりました。

井手上さんには、「あきらめないでやり抜く」というタイトルで講演していただき、高校時代、夢探究の授業でジェンダーに配慮するために、制服を男子用・女子用と分けていたものをタイプ1・タイプ2と変えてどちらも選べるようにした本校の制服改革の話にも触れられました。また、講演の中では、自身が周りの目を気にして好きなことができなくなった苦しみから、母親の支えによって、好きなことに取り組むようになってから、人生が明るくなったという旨の話と共に、生徒たちに向けても、「好きなことをやってほしい」という強いメッセージが送られました。また、生徒から出た質問にも応えていただき、生徒も大満足の講演会となりました。

講演後には、生徒会長から感謝の言葉をお伝えし、講演会は大盛況のうちに終了しました。

●6〜7限:未来への踏み込みワークショップ

6〜7限は、未来への踏み込みワークショップを行いました。5限までは、「これまでの踏み込み」による失敗だったため、この時間は、「これからの踏み込み」を考える時間としました。この時間は、生徒会のメンバーと失敗共創プロジェクトメンバーのコラボレーション企画でした。1〜3年生と教職員とで作られたチームでの対話を通して、「実は踏み込みたいこと」を共有し、その第一歩は何なのか、それができるとどんな未来につながるのか、などを明らかにする「踏み込みちトーク」を行い、同じチームの仲間に協力できることはないかを考えました。

同じ学校に通っていても、普段あまり話さない人もいます。今回は、そんな人ともチームとなり、これを機会にお互いを知る機会にもなりました。

また、一週間後には、「リフレクションランチ」を設定し、このワークショプで一緒になったチームでランチを共にし、このワークショップで決めた一週間で踏み込んだことやそれにおける失敗をチームで称え合うところも予定されています。

「来年度の文化祭で、石見神楽と島前神楽をコラボレーションさせたい。一緒にやりたい人は声をかけてください!」「海士町で1番の棋士になりたい。今週末、今1番強い人と対戦してくる。」「プログラミングで仕事を変える。そして人間にしかできない仕事に時間を使う。難易度高め、チーム募集!」など、さまざまな踏み込みが宣言されました。

さらに、ここで話された内容は、踏み込みカードにアウトプットされ、校内に掲示予定です。

最後は、クロージングの時間です。岩田さんから、「全員が、失敗を恐れずに踏み込めるよう、みんなで円陣をしてエンジンをかけます!」という説明から、「失敗なんて恐くないぞー!!」という見事な掛け声から、チームで肩を組み、全員で「おー!」といいながら、片足を、未来に向けて踏み込みました。

●全校終礼:閉幕宣言

最後は、教頭先生による閉幕宣言です。「元々は、失敗談を話してくれと言われたが、さっきの時間を過ごして、踏み込みの話をしたい。さっきのワークショップでは、私も生徒と一緒にチームに入り、西ノ島町のことをもっと知りたいと宣言した。すると、今週末、歩きに行くことが決まった。悪天候でもチームのメンバーに行けと言われたので行くつもりです。」と感想をいただきながら、最後には「これを持って、第一回島根県立隠岐島前高等学校失敗の日を閉幕いたします。」と宣言していただきました。

 

●放課後:隠岐國学習センター失敗の日

放課後には、本校と連携している公立塾:隠岐國学習センターでもスタッフの方が失敗の日の企画を実施してくださいました。

(焚き火をしながら失敗を振り返る)

 

(地域の方を招いての失敗トーク)

(保護者の方を招いての失敗トーク)

隠岐國学習センターの皆さんありがとうございました。

 

こうして、記念すべき第一回失敗の日は無事に終わりました。全ての生徒・教職員が、失敗を恐れず、それぞれの踏み込みをみせてくれることを期待します。

 

 

最後に、運営した失敗共創プロジェクトからの言葉です。

「ご協力していただいた皆さま、ありがとうございました。今回は失敗の日として、失敗を称え合い、未来への踏み込みを宣言しました。これを機に、日常的にそれができるようになることを願います。そして最後に、我々の大失敗は、今回の失敗の日が1つの失敗もなく大成功に終わったことです。これからは、もっともっと踏み込んでいこうと思います。」

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