校長室より

「先の見えない時代の中で」(令和4年度第1学期終業式式辞:書き起こし)

 まず、新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、直接、皆さんの顔を見ての終業式を行うことができず非常に残念です。8月の2学期始業式の際には、皆さんの顔を見ながら行えることを願っています。

さて、学期終わりの終業式ですので、今日は二つのお話をさせてください。

この一学期、自らの夢や目標に向かって、チャレンジはできましたか?進み具合はどうですか?また、うまくいっていない場合は、友達や先生と分かち合いながら前に進む努力をすることができていますか?
私は、この一学期小さな目標を胸に秘め努力してみました。私が立てた目標は、「この一学期、皆さんの授業を50回見に行く。」というものです。一昨日手帳を見ると、回数は、49回。昨日慌てて、授業を見にいき、どうにか50回の目標を達成することができました。目標としては大変小さなものですが、目標を達成することは、気持ちの良いものですね。1つ達成すると、次は何を達成しようかと、前向きな気持ちになってきます。この場で、宣言します。「2学期は、少し上をねらって55回を目標にしたいと思います。」この場で、皆さんにお伝えしたからには、有言実行。絶対に達成したいと思います。皆さんも、あえて目標を言葉に変えて、誰かに伝えることで、前に進んでみませんか。この夏休み期間中に2学期になすべきこと、成し遂げたいことしっかりと考えて欲しいと思います。

2つ目ですが、今年度が始まり、入学式、歩こう会など、ある程度、コロナ禍の前の学校活動に戻せた部分がありました。これは、皆さんが日常の感染症対策をしっかりと行い、協力してくれたおかげです。本当にありがとう。
しかし、一方で最近のコロナ禍の状況において、2学期の学園祭がどこまで実施できるかが分からない状況であることも事実です。昨日は、2年生に向けて、大変残念ながら2学期に予定していた海外研修を中止し、国内研修への切り替えの方針を伝えたところです。
この2年間、コロナ禍でもあり、「先が(の)見えない」という言葉が、常套句のように使われています。私自身も、先が見えない状況の中で、学校行事や校外活動などの実施について日々判断を求められ、不安が高まりました。特にこの一ヶ月間はあまり気持ちが晴れない日々の連続でした。そんな折、10日程前にテレビ番組を見ていたら、タレントのローランドさんが出演していて、その中で、ローランドさんは、「先が見えた人生の方がよっぽど怖い。成功する、しないは抜きにして、先が見えない方が絶対に楽しいと思う。先が見えないからこそ努力し、考え、前に進むことができる。もし先が見えたら、何も考えずに流されていくだけでしょう。」とおっしゃっていました。

私は、ハッとしました。
先が見えない今だからこそ、様々なアイディアを考えて、実現に向けて試行錯誤しながら一歩一歩前進し、行動に移していく。仮に失敗しても恐れることはありません。今年度の私たち隠岐島前高校のスローガンは、「失敗を共に称え合う学校」です。
また、別のテレビ番組では、タレントの米倉涼子さん(主演ドラマでは「私は失敗しないから」が決めぜりふ)がインタビューに対して、「私は失敗するから前進できる。」ともおっしゃっていました。本当にその通りだと思います。
私は、しばらくの間はローランドさん、米倉さんの言葉を自らの心の糧として、先の見えない今に立ち向かっていきたいと思います。生徒の皆さんも「先の見えない状況の中にいること」には違いありませんが、まずは足下からしっかり見つめ直しつつ、自らのモチベーションをあげていけるよう一緒に頑張りましょう。

最後になりますが、夏休み期間中は、健康に気を付けて過ごしてください。そして、できれば2学期の始業式は皆さんと体育館で、そして元気な顔でお会いできるように願っています。

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