校長室より2024年8月29日 (木)
「風をはらむ」機会をつくっていきませんか
2学期始業式講話:「風をはらむ」機会をつくっていきませんか
夏休みに読んだ雑誌の中に、次のような文章がありました。誰が書いた文章なのかは明記されていませんでしたが、私のこころが動かされるところがあったので紹介します。ただし、私が話しやすい文章に直していますのでご承知おきください。
『こんなに強い力を持っているのに、私たちは風を見ることができない。こんなにやさしく人の頬をなでるのに、感じるだけで風をつかむこともできない。
その丘に風があるのか、どんな風が吹いているのかを知るためには、その丘に立つ旗の、はためく様子を見るしかない。
風は人の心の中でも吹いている。しかし、それも簡単には見えない。
心の中の丘の上で、大きな意志が宿るとき、旗ははためき、人は何かをし始める。一人の胸の中の一陣の風が、となりの誰かの熱い砂を巻き上げ、気づけば多くの人に熱い風を送る。いつしかそれが社会を変える台風となっていくかもしれない。
滅多に起こりはしないだろう。けれども、個人ならず集団の思いとしても、風は必ず宿るものだ。明日には明日の風が吹くように、私たちは私たちの求める風を、いつかその風をはらむ機会をつくっていこう。
何かを動かし、何かを変える。風神が持つあの大きな風袋に、自分の情熱、皆の思いを精一杯はらませて、人生にせめて一度は、大きな風を起こしたい。』
夏の高校野球の会場は甲子園球場ですが、甲子園球場には「浜風」という風が吹くそうです。海に近いライトスタンド側からレフト側に吹く風で、引っ張ってライト方向への打球が多くなる左バッターには、ホームランが出にくいそうです。また平凡なフライでも浜風を見誤ると、野手が取れない場合もあるそうです。
今年の大会では、前評判の高くなかった島根県の大社高校が、ベスト8に進出しました。戦いぶりをとおして、多くの人を引き付ける魅力が試合ごとに高まっていったと思います。だからこそ大社高校の快進撃が、「旋風」を巻き起こしたのではないでしょうか。
さて、1学期の終業式で、皆さんに次のように問いかけました。
「皆さんは夏休み明けの2学期に、どんな景色が見たいですか。また本校の卒業後に、どんな景色が見たいですか」
来週末の碧燎祭(学園祭)を皮切りに、2学期は多くの大切な学校行事が予定されています。また、普段の学習も幅広く盛りだくさんになっていくことと思います。部活動も新チームで臨む大会になります。3年生はいよいよ受験が本格化します。
生徒の皆さんと一緒に、私たちは私たちの求める隠岐島前高校の大きな風を起こし、その風をはらむ機会をつくっていきたいと思います。