校長室より2026年3月1日 (日)
令和8年度卒業式校長式辞
式辞
海岸に打ち寄せる波も穏やかになり、島々の景色の中にもあたたかな春の息づかいを感じる今日の佳き日に、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、また、保護者の皆様、島親の皆様にもご来場いただき、令和7年度島根県立隠岐島前高等学校卒業式を盛大に挙行できますこと、卒業生はもとより、私たち教職員、ならびに在校生にとって大きな喜びです。高いところからではございますが、ご臨席いただきました皆様に心より御礼を申し上げます。
保護者の皆様におかれましては、3年前に期待と不安を交えながら本校へお子様を送り出していただいたことがつい昨日のように思い出されるのではないでしょうか。喜びや心配もされながら、これまで時には厳しく、そしていつも温かく見守ってくださいました。本日のお子様の成長した晴れ姿に感慨もひとしおのことと存じます。ご卒業を心よりお慶び申しあげますとともに、これまで本校の教育活動に対して様々なご理解とご協力を賜り、深く感謝申しあげます。
島親の皆様ならびに地域の皆様、卒業生が晴れやかに凛とした姿で巣立っていくことができるのも、彼らひとり一人を見守り、支えてくださいました皆様のおかげです。心より感謝申しあげます。ありがとうございました。
さて、さきほど卒業証書を授与した48名の卒業生の皆さん あらためて卒業おめでとう。教職員一同、心より祝福いたします。
第4期隠岐島前教育魅力化構想で出された「はじまりの書」の中にこんな言葉があります。
~ 島前で育った子どもたちが
自分の意思で未来という大海原に漕ぎ出していく
希望をもって漕ぎ出していく
島への誇りと感謝を胸に漕ぎ出していく
そんな船出ができる島前とはどのような場所なのでしょう ~
皆さんにとって、数ある高校の中から自分の意思で選んで入学し、3年間を過ごしたここ、島前高校はどんな場所でしたか。
中学校3年間がちょうどコロナ禍であり、様々な制限の中で過ごしてきたであろう皆さんでしたが、入学した年のGW開けから五類に移行したことにより、高校では大きな制約もなく、様々な活動に取り組むことができました。この3年間授業や部活動はもちろん、歩こう会や失敗の日、海外研修旅行や碧燎祭など本校の特色ある学校行事に、皆さんは日々真摯に向き合ってきました。グループ或いは個人で行った探究活動も含め、、多様性が打ち解け合う中で島前高校ならではのたくさんの素敵な学びの場がありました。場があっても真の学びになるためには自分の意思で挑戦しなくてはなりません。失敗を恐れずに挑戦をし、「踏み込み」と「振り返り」のサイクルを回す島前高校の学びのスタイルを身をもって示してくれた皆さんの姿は、この先も後輩たちに受け継がれていくものと思っています。
また、昨年の十月には創立70周年の記念式典がありました。今の島前高校のこれらの素晴らしい学びと育ちができるのも、地域の協力と恩恵を受けているおかげだと、今一度その原点に立ち戻り、本校ならではの教育活動を一層推進していくと誓いました。地域に根差し、地域と共に歩む学校であることの喜びと誇りを70年の歴史と伝統とともに受け継ぎ、次の時代にそのバトンを渡す役割を皆さんと共にすることができたことは大きな喜びでした。
さて、皆さん、いよいよ次の舞台に進むときがやってきました。
これから進む社会はますます変化し、進化、発展が予想されます。その変化に戸惑うこともあると思いますが、本校が持つ多様性の中で培った柔軟さがきっと皆さんを助けてくれることでしょう。焦らず、慌てず、挫けずに、しっかりと踏み込んだ実践を心掛けてください。本校で確実に学びを重ね、成長を遂げた皆さんならきっと大丈夫です。社会や世界が変わるからこそ、真理に根ざし、理想を掲げ、進取の気象を失わず、柔軟に自己変革に努めてください。
この場所で思い描いていた夢や希望、これから先にできる新たな希望や目標を、いつの日か強い信念と志に進化させ、それぞれの道で活躍されることを願っています。同時に、人の温かさにあふれたここ島前での生活の中で抱いた、「何かしたい」、「誰かの役に立ちたい」といった、純粋な思いを、いつまでも持ち続けてほしいと願っています。そして、できることなら、より多くの人がいつの日かこの島前の地に「志を果たしに」帰ってきてくれることを心から願っています。
さあ、島前高校での学びに誇りを持ち、自ら大きな帆を張って、人生の大海原へ漕ぎ出してください、希望をもって、島への誇りと感謝を胸に漕ぎ出してください。自信を持って。きっと大丈夫。還る場所はここにもあるのだということをどうぞ忘れないでください。
そしてどこへ行っても、何をしていても「汝、なんのためにそこにありや」誰もがいつもこの問いに即座に返答できる「意思ある未来の作り手」の一人であってくれることを期待しています。
卒業生の皆さんの希望に満ちた未来への船出が幸多きものとなることを祈り、はなむけの言葉といたします。
令和8年3月1日
島根県立隠岐島前高等学校 校長 伊藤尚子
