インタビュー特集

失敗共創インタビュー④(ゲスト:普通科改革支援事業運営共創委員 熊平美香さん)<後編>

咋年度より、本校では、学校スローガン「失敗を共に称える学校」を掲げ、学校経営目標を着実に前に進めるために、失敗共創プロジェクトが立ち上がりました。今年度は、踏み込みプロジェクトとしてバージョンアップしていきたいと思います。

踏み込みプロジェクトでは、日常の価値ある失敗を共有し、失敗を恐れずに踏み込める土壌をつくることを目的に、失敗共創インタビューを行っています。

 

失敗共創インタビュー4回目となる今回は、一般社団法人21世紀学び研究所代表理事でもあり、本校の普通科改革支援事業運営共創委員でもある熊平美香さんをお招きしました。インタビュアーは、2022年度踏み込みプロジェクトメンバーの佐藤、大野、宮野、小谷です。

<前編><後編>に分けてインタビューをお届けします。

※前編はコチラから。

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踏:子育てについても聞きたいです。結果を予測してこれはあり・だめを判断しないことは大事にしたいというお話でしたが、他にもありますか?

熊:その子の興味・関心を大事にしたいと思っています。「この子は何に興味があるんだろう?」と、子どもの興味・関心を理解し、興味があることにサポートをしました。その子が生きたいように生きることをどう守れるか。どうやって主体性を守れるか。「学習する家族」を家族のコンセプトに掲げてガチンコでやっていました。何故そうしたかというと、親が子どもの限界を作るんだなぁと感じたからです。「教育者は自分を超える人間を育てないといけない」と母から言われました。また、自分も、親に対して「これは間違っているんじゃないかな?」と思うことが結構ありました。そこで、子育てにおいて、親がすべて正しいという考えを捨てました。子どもから「間違っているんじゃないかな?」と言われたときには、冷静に受け止め、間違いを認めることもありました。子どもに求めることは、自分にも求めることをルールにしていました。自らが実践する方が、指示するよりも、教育効果が高いです。

踏:親密性が高いほど移りやすいというのがあるのではないかと思います。生徒と教員との関係性が高いほどそうなる。親密性が高いほど、間違ったことを言っても入ってしまう。

踏:今の島前高校、挑戦して振り返るという中で、まだ挑戦することへの恐れを持っている生徒に対して、出来ることって何かありますか?

熊:好きなことをテーマに挑戦してみようと伝えると思います。どんな生徒でも好きなことは絶対にやっているので。

踏:好きなことが、例えば、消費すること、音楽をきくこと、映画をみることとか、youtubeをずっと見てなければいけないみたいな生徒がいるときには、なんてアドバイスすればよいでしょうか?

熊:例えば、消費することでチャレンジするとしたら、同じ商品を最も安く買う方法を見出すとか、音楽であれば、自分の好きな音楽をみんなにも好きになってもらうための企画を考えるなど。もっと、好きなことを楽しむための方法を考えてみて欲しいです。

踏:チャレンジをどう定義すればよいでしょうか。チャレンジという言葉とか失敗という言葉が怖いっていう人がいますね。チャレンジとか失敗という言葉をどう定義しているかだと思います。その言葉が何に紐付いているのか。例えば、「チャレンジ」という言葉が「困難」「苦痛」というイメージに紐づいているように。

踏:感情とか経験とかだったらひも付きがありそうだから、そこがヒントになりそうですね。

熊:チャレンジしたいと言っている子を手伝う、伴走する。活動の中で、チャレンジが現れてくる。チャレンジが目的ではなく、目的を達成するために、チャレンジを乗り越えることになる。チャレンジとはそういうものかなと思います。だから、自然に振り返ることになる。保護者に対してもリフレクションをやったほうがいいよねという話も出ていますね。子育ても、最大のチャレンジ(!?)だから。私の知り合いでも、高校卒業までとても過保護に育てられ、大学で急に自立を求められて、困惑したと話していた大学生がいます。オランダの子どもたちは、4歳くらいから少しずつ大人になる練習をしています。保護者向けにオンラインでリフレクション講座をやってもいいかもしれませんね。

 

踏:ちなみに、振り返りの悪い点みたいなのはありますか?

熊:なりふり構わず進む、踏み込む人には向かないかなぁ。でもそれは、持続可能ではない。社会全体でリフレクションをやっていくというのが大事だと思います。

 

踏:今日は長い時間インタビューさせていただき、ありがとうございました。今度ともよろしくお願いします。

熊:ありがとうございました。

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