インタビュー特集

高校生と大人がともに学び、刺激を受け合う日常(夢探究I授業インタビュー)

夢探究Iの授業では2学期に「多様な教科の視点を生かして地域を探究する」ゼミ形式の活動に挑戦してきました。

 

今回はその中で「隠岐島前高校が電力で自立するには?」というテーマに取り組んできたエネルギーゼミ担当の三島先生(物理)、大人探究チームとして活動に取り組んできた吉田先生(化学)、生徒の白川優一さん(長野県出身)、中村詩さん(海士町出身)に話を聞いてみました。

 

-まずは三島先生がゼミのテーマをエネルギーにした理由からお話を聞かせて下さい。

三島:生徒のみんなにはネタバレ感があるんだけど、実は他のゼミとは違って理系要素を強めにして欲しいという要望が学年の打合せの中であって、そこから考えていました。例えば探究するテーマが理系なのか、それともアプローチの仕方が理系なのかとか。その中で、今の1年生が興味を持つことができて取り組みやすいテーマが何かと思ったときにエネルギーというアイデアが出てきました。そこで交交株式会社(http://como-gomo.com/index.html#start)で電力事業をはじめた大野さんに話を聞き、自分自身も現在進行形で挑戦している大野さんから刺激を受けて、今回のゼミで取り組むテーマを決めました。

(写真右から三島先生、中村さん、白川さん、吉田先生)

-白川くん、中村さんがこのゼミを選んだ理由は?

白川:僕は3つのゼミどれも最初は興味がなくて(笑)どれでもいいと思ったんですけど、ゲストで大野さんが来ると聞いて興味が湧いたのと、3つの中で一番目的が明確でハッキリしていたので、このゼミを選びました。

中村:私は他のゼミと迷っていたんですけど、理系に進むことを考えていて、エネルギーってそれに役立つかなと思ってこのゼミを選びました。

 

-授業に取り組む中で興味が湧いてきたところはありますか?

白川:僕は新しいことを考えるのが好きなので「島前高校が電力で自立するための方法を考える」という課題をもらったときに革新的でおもしろそうだなと感じました。

山野(聞き手):なるほど。自分達の進む方向が決まることが大事そうだね。詩さんのチームは島前高校の屋上や校舎内で太陽光パネルを使った実験などもしていたと思うけど、やってみてどうでしたか?

中村:そもそも曇りの日は実験ができなかったので、実は思ったようにデータが集まらないところもあって、そこからネットでも情報を調べながら発電量などの計算をしていくのは、結構難しかったです。

(島前高校の屋上で太陽光パネルを使った実験を行いました)

-吉田先生は「大人チーム」として探究することが決まったとき、どんな心境でしたか?

吉田:僕は今年島前高校に来たばかりですし、最初は何をすればいいんだろうという状態でしたけど、エネルギーゼミって聞いた時は、ちょっと面白そうだなと思って、最初はそんな気持ちでした。

山野:一方で、最後の吉田先生と森田先生(実習助手)のプレゼンが結構アツい感じだったなと思ったんですけど、大人チームのスイッチが入ったというか、エンジンがかかった瞬間はどのあたりだったんですか?

吉田:そうですね、エンジンのかかり具合でいくと、本音を言えば僕はもっと実験したかったところもあったんですが、浅井さん(交交株式会社)から太陽光パネルの導入事例の話を聞いたりして、実際の金額の概算や検討しないといけない問題が見えてきた時、思ったより導入できるかもしれないという気持ちになって、そこでモチベーションがあがりました。

(交交株式会社の浅井さん(写真左)へのインタビューも白熱していました)

-生徒側から見たときに、大人チームも一緒に探究している中で感じたことを教えてください。

白川:やってる途中はとくに何も思わなくて、「ああ、いるなあ」という感じだったんですけど(笑)でも、最後の発表とき、大人チームも発表していて、一緒にやっているのがいいなと思って。大人チームは高校生が取り組んでいることをどうしたら現実化できるかというところまで考えていて、そういうところが大人チームだなと刺激を受けました。

中村:先生っていつも教える側で、私たちは教えられている側だと思うんですけど、このゼミだと一緒に考えるところがいつもとは違うなと思いました。

 

-最後に、今後に向けて「もっとこうしたいな」と思ったことがあれば教えてください。

三島:生徒の振り返りで「この活動をこの活動だけで終わらせたくない」という意見がたくさんあったのは、授業をつくった側としては相当嬉しいことで、ということは時間がもう少しあると、できたことはあったのかなあと思います。

山野:たしかに色んな声が出てきて嬉しかったですよね。先生はあと授業が10時間あったら、どんなことをやってみたいですか?

三島:あと10時間あれば実験の精度も上がるでしょうし、最後の発表が各チーム5つの部署に分かれて、それぞれ探究してきたことを共有したような形だったんですけど、例えば発表を一本化して、交々株式会社や大野さんへの提言書としてまとめるところまで出来れば、更に良かったと思います。

(このように部署ごとにテーマを分解して探究をしてきました)

吉田:もう少し時間があれば、太陽光パネル設置のために実際に電話で交渉するなどできたかもしれないですけど、大人が生徒側の立場でやってみるというのは面白くて、多少なりとも影響があったのは嬉しいです。あと個人的には、実験する前にもっと丁寧に仮説を立てるところまで出来ると楽しかっただろうなと思います。

 

山野:ありがとうございます。まだまだ聞きたいところですが、あっという間に時間になりましたね。みなさん、ありがとうございました。今日の話をまたこれからにつなげていきたいと思います。

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