校長室より

「『元気ですか?』をきっかけに」(令和5年度第1学期終業式式辞:書き起こし)

一学期が終わりました。3年生、2年生は、一年前の今日のことを思い出してもらえますか?一年前は、まだ体育館に全員を集めてこのように対面で式が行えませんでした。私も昨年は、放送室から校内放送で話をした記憶があります。コロナ禍の状況から「ここまで回復したんだな」としみじみ感じているのが正直な気持ちです。

 

さて一年前に、何をお話ししていたのかを思い起こしてみると、「元気」という言葉についてお話をした記憶があります。1年生は、多少違和感を抱いていたかもしれませんが、私が校舎内で皆さんとすれ違う時、「おはよう!」「お疲れさま!」という挨拶に加えて、かなりの頻度でかける言葉は「元気ですか?」という言葉です。「元気」という言葉には、体が健康ということはもちろん、加えて前向きな心が満ちあふれているという両輪によって成立するとも言われています。昨年の体育祭で「1・2・3だー!」とやったのもそれに通じています。あらかじめ伝えておきます。今年もやります。生徒の皆さんご協力お願いします。

 

「元気?」とかける言葉は、実は「おはよう!」「お疲れ!」という言葉以上に、生徒のみんなと私の会話のキャッチボールが生み出されています。「おはよう」「お疲れ」だけだけですと、会話はそれで止まります。私が「元気ですか?」と聞いて、生徒が「元気です!」と応えれば、私は「なんかいいことあった?」と聞きますし、生徒が「ちょっと・・」と応えると、「どうした?」と会話が続きます。何気ない言葉の掛け方一つで、コミュニケーションの状況は変わってきます。

 

一学期のとある場面です。「元気ですか?」をきっかけにある生徒さんとの会話がはずみました。話は進み、私が「この学校にきて、変わったと思うことってあるの?」と聞くと、生徒さんは「先生と生徒の距離、地域の大人と生徒の距離がすごく近いし、大人の方から声をかけてくれる。これが嬉しいです。中学生の頃までは、先生や大人と聞くだけで壁を作っていた。話を聞きたくもないし、近寄りたくもないと思っていた。でもこの高校に来てからは、たくさん話しかけられて、変わってきた。」と聞かせてもらいました。話の内容を素直にうれしく感じるとともに、我々大人も、皆さんも、勇気を持った挨拶を声に出して表現することが人間関係力を高めることになると思いました。そして、島前高校のパワーの源はここにあるのではないかなと思った出来事でした。皆さんもこれまで以上に様々な人に挨拶や声がけを行い、人と人の関係性を深めてみる努力を頑張ってみてください。

 

さて、最後に私の最近の失敗の話です。3週間前に、歯が痛くて、鎮痛剤を飲みました。数時間経っても痛みは止まらず、夜にもう一度薬を飲みました。でもずっと痛い。翌朝、まだ痛みはやまず、もう歯科診療所にいくしかないかなと思いながら、朝もう一度薬を飲み、薬を救急箱に戻そうと、ラベルをよくみたら「酔い止め」と書いてありました。ずっと間違えて飲んでいました。「確認はしっかりしないといけない。鎮痛剤を飲んだ”つもり”ではダメだ。」ということです。薬は用法を間違えたらどうなるかわかりません。何気ない小さな失敗かもしれませんが、私にとっては物事進めていくためには「つもりではダメ」をあらためて心に刻んだ瞬間でした。つもりではだめなのです。

 

夏休みに入ります。2学期も日常生活はもちろん、夢探究や地域共創DAYを含め、様々な場面で、失敗を恐れずに踏み込んでくれることを願っています。そして、お願いもあります。新型コロナウィルス感染者数が増加しますと、インフルエンザ同様に学校では臨時休校や学級閉鎖の措置をとらざるを得ません。2学期が始まれば、碧燈祭(学園祭)が待っています。皆さんの努力が報われるように、そして今後の学校行事などが無事に行えるよう、健康には気をつけて過ごしてください。

 

以上

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