校長室より

令和5年度第2学期始業式式辞「かがやくためにも情報収集に努めよ」(書き起こし)

皆さんおはようございます。そして元気ですか?私は元気ですよ。

この夏休みはどのように過ごしましたか?本当に暑い夏でしたよね。学校のそばで放牧されている牛もこの夏は木陰に集まって過ごしていました。昨年はあまり見なかった光景に今年の夏の暑さをあらためて感じています。

この夏休み期間、皆それぞれにチャレンジしてくれたものと信じています。すべては紹介できませんが、テニスやレスリングの合宿、バスケ部のリーグ戦、ヒトツナギ部のヒトツナギの旅、そして出校し受験に向けて勉強に励む3年生などみんなが努力する姿を私も多く確認できました。

私自身は多くの同窓会に参加できた夏でした。なかでも30年前に担任した、もう50歳前になる卒業生たちとの同窓会は懐かしく感じた時間でした。様々な話で盛り上がりましたが、最後はなぜか教員の授業についての思い出話になります。「〇〇先生の字は達筆すぎて読めなかった」、「〇〇先生の板書は整理されていて、後から勉強しやすかった」、「黒曜石で木を削った記憶があります」、「どうでもいい話聞きたかったら、小テストはみんな9割目指せと言われて頑張りましたよ」、「看護師は向いてないよと言われて、悩みましたがその訳も理解できて、今は養護教諭です」、「何をしにこの高校へ来たの?と聞かれた何も答えられなかった思い出があります」などなど、普段の会話や授業の際の言葉は記憶に残るモノなのですね。教師という仕事の素晴らしさと責任の重さを再実感した夏休みでした。2学期始まります。先生方は1時間1時間の授業の組み立てにますます努力して下さい。生徒の皆さんはより高くアンテナをあげて、自らを高めるための時間となるよう意識して下さい。

さあ、ここで一つ、今日はあえて厳しいお話をさせて下さい。松江市や出雲市で定期路線バスを運行する一畑バスが「運転手不足」により減便するというニュースが1ヶ月前に全国放送されました。コロナ禍からの回復となるところですが、観光客が戻ってきても従業員不足で旅館やホテルが受け入れを断っている例などもあり、日本全国で人不足という現状が次々に報道されています。また、コロナ禍を乗り切るために支援の融資を受けていたかなりの数の中小企業が返済ができず倒産に追い込まれているとのニュースも流れています。皆さんは今の日本のこのような現状に気がついていましたか?コロナの際には様々な制限も自粛もあり、これからというときですが「これまで通りにはいかない」という事態も多く発生しています。

さて皆さんが今取り組んでいる探究活動等の内容の多くは地域の方々の協力を得て進めることができるものですが、どうでしょう、周囲の状況についての現状把握や分析は行われていますか?自らの「やりたい」ばかりに注目し、周囲の願いや思いを理解しないままの内容となっていませんか?また皆さんを支援いただく方々に過度の負担を強いるような状況に陥っていませんか?ラグビーワールドカップがまもなく開催となります。私はこれまでの勤務校において、地域と関わる際にラグビー関係者の言葉を糧としていました。「大切な事はエリアの独自の文化の理解だが、郷に入れば郷に従えとは異なる。私が言いたいのは、その場に溶け込むことではない。そこで何かを生み出したいなら、よく観察し、できることとできないことを判別せねばならないと言うことだ」皆さん、自らの夢や取り組みを実現したければ、地域や我が国が直面している共通課題についての情報収集や分析、言い換えれば考えるための材料をより集めることにもう少しエネルギーを注ぎませんか。皆さんの「やりたい」をより輝かせるためにも。

最後に、いよいよ2学期が始まります。実は今日皆さんに話したかったことは、1学期の終業式ですべて予告済みでした。思い出しながら聞いて下さい。まずは学園祭、そして3年生の受験や就職試験が始まります。10月には失敗の日、11月には2年生海外研修旅行など様々な行事が続きます。一つ一つを大切に「やったつもり」で終わらせない、そして乗り切るためにも自らの健康管理に努め、「元気を継続」させていく努力を忘れないで下さい。

この記事をシェア