卒業式を終えて、年度末事務処理に追われている。本日（13日）、一息つこうと空を見上げると爽やかな青色、やはり気持ちがよいものだ。そのとき、ふと記憶がよみがえった。

十数年以上も前のことであっただろうか、3月末に飛行機で東京出張に向かっていた機内からきれいな富士山が見えていた。天気も今日のような快晴であったと記憶している。富士山を過ぎたところで機長からのアナウンス、「着陸に向けてのいつものシートベルト着用か…」と思っていたら違っていた。記憶は定かではなく、美化されがちだが、内容は概ねこのようなものであったと思う。

「本日はご搭乗くださいましてありがとうございます。本日は天候に恵まれましたので、先ほどまではきれいな富士山の姿をご覧いただけたと思います。客室乗務員からの報告から判断しますと、本日ご搭乗されているお客様の中には4月からの新しい生活のために、新たな地へ向かっている方が多いと思います。慣れ親しんだ地、家族のもとを離れ、最初は寂しさもつきまとうかもしれません。私もこの仕事を目指し、家を離れた際には不安や寂しさに加え、何をやってもうまくいかないという壁にぶち当たりました。ですが、多くの方々に支えられ、今ではこの青空を飛ぶことができています。皆様の新しい第一歩にご家族を含め、多くの方々が応援してくださっています。ご自分が歩み出した一歩に自信を持って、力強く進んでください。寂しさや苦労の先には必ず今日のような青空が広がっているはずです。本日の乗務員一同、皆様のご活躍をお祈りしております。グッドラック。　　当機はまもなく羽田、東京国際空港への着陸態勢となります。シートベルトをご確認ください。」

アナウンスが終わると、機内にはどこからともなく拍手が起こった。私も思わず若い頃を思い出し目頭が熱くなっていた。

本日、空を見上げながら、3月1日の卒業式の光景が頭に浮かんだ。あらためて卒業生の今後の活躍を祈念したくなった瞬間であった。
” GOOD  LUCK !! ”