インタビュー特集

卒業生インタビュー(ゲスト:中村勇士さん)

本校卒業生で、日本体育大学に進学した海士町出身の中村勇士さん(教育実習中)にインタビューしました。

インタビュアーは、本校コーディネーターの宮野です。

(中村勇士さん:海士町出身で本校卒業生。卒業後は、日本体育大学に進学し、レスリング漬けの毎日を過ごした。)

 

宮:それでは、お願いします!

中:お願いします。

 

宮:現在は、何をやっていますか?

中:島前高校卒業後、日本体育大学に進み、卒業しました。今は、神奈川で配送業やりながらキッズのレスリングを教えています。ちなみに今は、科目履修生として、教育実習に来ています。

宮:久しぶりに高校にきてどうですか?

中:懐かしい気持ちと、一緒に過ごした同級生はいないから、少し悲しい気持ちもあります。

宮:卒業してから同級生との付き合いはありますか?

中:夏と冬は、島に帰省するときに島内の同級生とは会います。東京では島外生何人かと会っています。

宮:大学では、何を頑張りましたか?

中:大学では、ひたすらレスリングに打ち込みました。若い時にしか打ち込めないと思ったからです。たまに勉強もしました(笑)

宮:勇士と言えばレスリングですが、何歳からやっていましたか?

中:3歳からやっていました。

宮:へえ、すごいですね。3歳までずっと島でレスリングをやってきて、島を出てからのレスリングは、どう違いますか?

中:これまでは、周りがすごく支えてくれたから、ただ頑張っていればよかったように思います。でも向こうでは、言われたことを頑張るのではなく、自主的に行動し努力する人しか見ないです。ただ頑張るだけではダメで、どう頑張るかが大事だったかと思います。とてもシビアな世界でした。全国のトップが集まるので、当たり前なのですが。でも、とてもいい環境で、自分にない技も教えてもらえたり、いい面もたくさんありました。例えば、試合前の調整の仕方もそうです。習うことが増えました。指導者も元オリンピック選手だから、学びが多かったです。

宮:今、実習で部活も見てくれていますが、レスリング部を見て、どう感じますか?

中:代が替わるだけで全く違うと感じます。自分がいた頃当たり前だったことが、今は当たり前じゃないです。いい意味では、みんなとても仲が良いし、雰囲気がいいなと思います。一方で、レスリングは、相手の嫌なことをする競技でもあるので、もっとライバルに対して「嫌なこと」をとことんやっていくことも大事だと思います。競技で嫌なことをして離れていく人がいたら、それは本当の友達とは言えない、と思って僕も大学でやっていました(笑)

 

宮:島を出て、ここでの生活が活きたことはありますか?

中:ここにいるときは、レスリングの動画を見て学んだり親から教えてもらって学んだりしていたのですが、向こうに行ってからは、実物を見て学びました。人から吸収しようという意志が強かったです。あとは、高校で島外生が多かったことから、偏見が少なかったように思います。普通は、県外の人に対してギャップを感じるけど、島前高校だと当たり前。おかげで、すっと受け入れられたように思います。コミュニケーションも取りやすいです。

 

宮:高校での一番の思い出はありますか?

中:やっぱり部活ですね。練習のシーンとか今でも覚えています。あとは、テスト期間の放課後ですね。普段、部活ばっかりだったので、テスト期間には、普段絡まないような生徒と絡めたのが楽しかったです。

宮:ちなみに、当時の高校生と今の高校生の違いを感じます?

中:今の高校生たちは、考え方が柔軟だと思います。例えば、携帯の件(使用ルール)もそうだけど、いい意味でも悪い意味でも「これって本当に正しいのか?」と前提を疑ったり、「こうしたい」という想いが強かったりするなと感じます。自分の意見があり、やりたいことが決まっていていいなと思います

宮:他にはありますか?

中:一部、活気がなく元気がなく見えることもあります。自分たちの時は、バカでうるさかったです(笑)。元気がなく見える子たちは、元気がある子たちの勢いやエネルギーに萎縮している感じがします。原因は、「元気な子が正しい」となってしまっているのではないかな?とも感じます。

宮:そういう時はどうすればいいと思う?

中:自分の時は、友達と打ち解けるのが早かったです。仲良くなる早さが影響することもあるかもしれないです。外側だけ見て、最初は「すげー」と思っても、仲良くなると意外と普通のやつだったりします。話してみると、自分のこともちゃんと認めてくれている。そいつはそいつ、自分は自分で違うベクトルで頑張ることも認め合っている感じでした

 

宮:これからの島前高校への願いはありますか?

中:島の子っていい子ばっかりだと思うので、そこは変わらずいてほしいです。高校生がどんどん世の中に向かって成長していって、社会に通用するようになっていってほしいです。ここでは「自分で考えて行動する場面」が多くあるので、そんな場面がこれからもありつつ、いい子のままいてほしいです。あとは、高校が潰れないでほしいです。今は、帰ってきたら当たり前に高校があるので、これからも残っていってほしいです。

 

宮:高校生にメッセージってありますか?

中:島で教わったことです。「どんな場所でもやることは変わらない。やり方次第で全ては変わる。」

宮:島でレスリングの全国チャンピオンになった勇士がいうと説得力があるね。

 

宮:ちなみに、(私ごとですが)魅力化スタッフに対して伝えたいことはありますか?

中:教員があまり言わないようなことをあえてどんどん投げかけていってほしいです。それで視野が拡がっていくと思います。

宮:卒業生ならではの話もたくさん聞けて楽しかったです。ありがとうございました。

中:ありがとうございました。部活行ってきます!

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